排便の仕組みに障害が起こり、便が非常に長い時間(個人差はありますが一般的に3〜4日以上)腸内に留まり、排泄されることがない状態で不快感を自覚する場合に便秘と判断されます。便秘には明確な定義がないため主観に頼るところが大きいのですが、「便が硬くて排便が困難」、「排便の回数が少ない」、「排便してもすっきりしない」といった症状があると言われています。
日本の人口が約1億2730万人とされているのに対し、便秘人口は約476万人もいるという結果になりました。また、男女別で比べてみると、女性の半数以上が便秘で苦しんでいるということがわかりました。
便秘になると自律神経の働きが悪くなり、全身の血行が悪化します。その結果、肌の張りやツヤがなくなったり、肌荒れなどの肌トラブルが起こりやすくなったりします。また、腸内に有害物質が発生して悪玉菌が増えることで、腹部の張りや食欲不振、吐き気、めまい、血便などを引き起こすこともあります。さらには血行が悪くなり、肩こりや腰痛など、全身にも影響が出てきます。
現在、酸化マグネシウムはその安全性や経済性、依存性の低さから、医療機関において便秘の第一選択薬として用いられています。生活習慣や食生活の改善を行っても、症状が改善されない場合に薬物療法が行われますが、その際にも、まず、酸化マグネシウムなどの塩類下剤から治療がスタートし、症状が改善しない場合には、膨張性下剤、刺激性下剤などが用いられます。このように酸化マグネシウムは現在も医療現場で頻繁に用いられている下剤であり、年間約4,500万人の患者さんが服用するなど、多くの方々に親しまれているお薬です。
「酸化マグネシウムE便秘薬」の有効成分である酸化マグネシウムは、実は、瀬戸内海の海水と国産の石灰石から作られた天然由来の成分から作られています。以下の製造工程の通り、人体に有害な成分や化学物質は使用していないので安心です。
石灰石(CaCO3)を高温で加熱して、石灰(CaO)を得ます。
CaCO3 → CaO+CO2
ここで生じた石灰に真水をくぐらせることで、消石灰[Ca(OH2)]が生じます。
CaO + H2O → Ca(OH)2
消石灰に海水を混ぜることで、イオン交換反応により水酸化マグネシウム【Mg(OH)2】を生成。
Ca(OH)2 + Mg2+(海水)
→ Mg(OH)2 + Ca2+
生じた水酸化マグネシウムには海水由来のNa+,Cl-が多数付着しているため、洗浄した後、乾燥させることで酸化マグネシウム(MgO)が作られます。
Mg(OH)2 → MgO + H2O
酸化マグネシウムE便秘薬が効果を発揮するまでには、個人差はありますが、服用から8〜10時間程度(早い方では1〜2時間)かかります。一般的に、便意は起床時や朝食時に腸管がよく動いて起こりやすいので、就寝前に服用するのが効果的です。
酸化マグネシウムは数ある便秘薬の中でも、長期的に服用した際の安全性が比較的高く、クセになりにくい薬として医療機関で広く用いられています。このため、軽症〜中等度の慢性便秘例で継続的に使用されています。
酸化マグネシウムは体内にほとんど吸収されず、効き目が穏やかで長期の服用が可能という特徴があるため、妊婦の便秘に対して広く利用されています。ただし、大量に服用すると、子宮の収縮を誘発する可能性がありますので、服用に際しては主治医にご相談ください。
酸化マグネシウムは体内にほとんど吸収されず、効き目が穏やかで長期の服用が可能なため、 ご高齢の方の便秘に適したお薬です。副作用も少ないことから、医療機関でも広く処方されています。
5歳以上であれば服用して頂けます。なお、子どもに服用させる場合には、保護者の指導監督のもとに服用させてください。
お茶や牛乳と服用すると十分な効果が発揮されない可能性があるので、コップ1杯(約150〜200mL)以上の水またはぬるま湯など、少し多めの量の水で服用してください。
病院で処方されたお薬の種類によっては、相互作用を起こし効果が弱くなったり、逆に強くなることがあるので、主治医の指示に従ってください。
初めて便秘薬を服用される方や、便秘薬を飲んでお腹が痛くなるのが苦手な方、便秘薬がないと排便が見られないなど、クセになるのが嫌な方におすすめです。その他、便秘に伴う肌荒れ、吹き出物、食欲不振、腹部膨満感などの症状がある方や、5歳以上の子供や妊娠中の女性にも服用頂けます。