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早速ですが、医薬品のネット販売に関して、冗談のような規制が着々と準備されつつあります。
5月11日、厚生労働省は次のような省令案(規制案)を提案しました。
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6月1日以降に第2類医薬品をネットで購入できるのは、以下の二つの条件のいずれかを満たす人だけに限定する。
・離島にお住まいの方(北海道、本州、四国、九州、沖縄本島以外にお住まいの方)
・5月31日以前に医薬品を購入された方が、同一店舗で同一医薬品を継続購入される場合
これらの条件は2年間の期間限定で、2年後にはこれらの方も第2類医薬品のネットでの購入を禁止する。
※第2類医薬品とは「バファリン」、「パブロン」、漢方薬、水虫薬、妊娠検査薬等の大衆薬のこと。 |
こんな馬鹿げた規制はあるのか?と、まっとうな人は考えると思いますが、厚生労働省は大真面目です。来月早々このような規制でネット販売が縛られる世界が現実となります。僕は、少なくとも第2類の医薬品に関しては、必要とされる方に、ケンコーコムのようなネット薬局・薬店から販売できて当然だと思っています。
厚生労働省が提案している規制案を変えることは大変困難ですが、まったくできないわけではありません。規制を変えるためには、あなたのご協力が必要です。5月18日まで厚生労働省がパブリックコメント(パブコメ)を行っています。パブコメとは、規制を定める際に厚生労働省がその規制に対する国民の意見を求めることです。もしもこの省令案がおかしいと思った方は、どうか厚生労働省のパブコメに参加してください。おかしいと思うあなたの率直な声が、おかしな規制を食い止め、これからの世界を変えるのです。 |
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大衆薬のネット販売は、医薬品販売の許可を取っている薬局・店舗によってなされています。
薬局・店舗なので、当然、薬剤師(または薬種商)がおりますし、実際の店舗もあります。相談をしたいときには、電話やメール、FAXなどで相談できる薬剤師や専門家が常駐しているのです。
お客さまと直接顔を合わせることが少ないネット販売だからこそ、医薬品の副作用発生を避けるため、安全性に留意した慎重な販売を各薬局・店舗が行っています。たとえば、医薬品を購入しようとすると、その医薬品ごとに問診票が出てきて、医薬品の服用が適切でない方に販売しないような仕組みのところもあります。また、副作用のおそれの高い医薬品に関しては、一度に購入できる個数を制限するなどの措置もとっています。
現在、ネット販売を含む通信販売で医薬品を販売することは薬事法でも禁止されていません。また、大衆薬がネットで販売されたことに起因して薬害が発生したという事例は、いままで見つかっていません。 |
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2006年に改正薬事法が公布されました。改正薬事法は今年の6月1日から施行されます。改正薬事法においては、大衆薬のネット販売は禁止されていません。
そして、改正薬事法という法律の細かい規則である省令の案が去年の9月に出されました。この段階で初めて、医薬品の通信販売は第3類のみに限る、と明記されました。改正薬事法では医薬品を3つに分類しています。第1類は「ガスター10」、「リアップ」等の効き目は強いが副作用の恐れも高いもの、第2類は「バファリン」、「パブロン」、漢方薬、妊娠検査薬等、効き目、副作用の恐れとも中程度のもの、第3類はビタミン剤、整腸剤等、効き目が緩やかで、副作用の恐れが小さいもの、とされています。
一方で、医薬品販売の資格に関して、薬剤師に加えてあらたに登録販売者という資格が新設されました。この資格は高校卒業以上の人が試験を受けて合格すればもらえるもので、薬剤師に較べるとはるかに専門性が低いものです。
薬剤師は第1類〜第3類まで全て販売できますが、登録販売者は第2類と第3類のみしか販売できません。一方でネット販売を含む通信販売の場合は、薬剤師が販売しているにもかかわらず、第3類だけしか販売できないという省令案になったのです。
なぜ第3類のみに限定されたかというと、通信販売では対面ではない(薬剤師とお客さまが面前におらず、手渡しで医薬品を渡すわけではない)ので安全ではないというわけです。 この省令案を作る際の検討会に僕自身も委員として参加したいと、再三申し出ましたが、厚生労働省に却下され、いわば欠席裁判のような形でネット販売に対する大幅な規制が決められました。 |
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「医薬品の通信販売は第3類のみに限る」という省令案に対して去年の9月、パブコメが行われました。その際に2,353件のパブコメが集まり、そのうち97%にあたる2,303件が省令案に反対するものでした。千件を超えるパブコメが集まるのは極めて異例なことです。今年の2月に省令案通りの省令が公布されました。一方で、このパブコメの力により、舛添大臣からの指示であらたな検討会が開催されることになりました。これが「医薬品新販売制度の円滑施行に関する検討会」というもので従来の検討会委員に、楽天の三木谷氏や僕など、あらたに4人の委員を加えたメンバーで行われました。省令が公布された後に、それを見直す可能性のある検討会が開催されるのは、きわめて異例なことです。
舛添大臣から「医薬品の販売は、国民の健康を守る観点から、安全対策をしっかりやる必要があるが、すべての国民が平等に医薬品を入手できる環境づくりも国の責務と考えている」というテーマが与えられて、5月11日までに6回の検討が行われました。しかし、5回目の時点で座長が「委員の間の意見の隔たりが大きく、報告書をまとめられない」とさじを投げたほどネット販売推進派とネット販売否定派の隔たりは大きなものでした。一方で、6月1日の改正薬事法施行が間近にせまったということで、厚生労働省が「困る人が出ないように」として出した省令案が冒頭にあるものです。 |
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「医薬品新販売制度の円滑施行に関する検討会」のテーマの一つは、今回の改正により困る人が出ないようにしよう、というものでした。前回の2,303件のパブコメの中には、「医薬品のネット販売がなくなると困る」と訴える多くの意見がありました。離島だけでなく、山間部にお住まいの方、むしろ都心にお住まいの方、子育てに追われる方、介護が大変な方、共働きの方、対人恐怖症の方、視覚や聴覚にハンディキャップをお持ちの方等、さまざまな方による、切実な声でした。
しかし、検討会の中で、「置き薬があるから大丈夫」、「そういう人は車で薬局に買いに行きなさい」、「誰かサポートする人がいるはずでしょう」と残念ながら次々に切り捨てられていったのです。
冗談ではなく、本当に、厚生労働省の役人は、医薬品のネット販売がなくなって困るのは離島の住人だけだと思っています。
「置き薬ではダメなんです」、「自分はネット販売がなくなると大変不便になるのです」ということをパブコメであらためて訴えかけなければ、離島にお住まいの方以外は医薬品をネットで購入できなくなってしまいます。
なぜ、ネットで購入することができるのは離島にお住まいの方だけに限られるのでしょうか? |
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検討会において、今回の改正により困ってしまう人として位置づけられたのが、自分の欲しい医薬品が近所の薬局やドラッグストアでは販売されていない場合です。そのような方が6月1日以降はそれまで入手できていた医薬品を買えなくなると困るだろうということで、この措置が盛りこまれました。
ただし、5月31日以前に、その店舗で、その医薬品を購入したことがある方、という強い限定がついています。6月1日以降は自分が欲しいと思う医薬品がネットで販売されていても、それまでにネットで購入したことがなければ、買うことができなくなってしまいます。近所の薬局やドラッグストアでは常に品揃えが増減していると思います。あなたが気に入っている医薬品が、ある日突然、お店の棚からなくなるかもしれません。一方で、ネットではきっと、その医薬品を販売しているでしょう。でも、あなたはネットで買うことはできません。
たとえば万一、新型インフルエンザが国内にも持ち込まれ、あなたが近所の薬局やドラッグストアに行くのを控えようと思ったとします。ネットでは必要な医薬品が販売されている。でも、あなたはネットで買うことはできません。
このような著しい不便を強いてまで、何を厚生労働省は守ろうとしているのか? 「対面でなければ安全な医薬品販売はできない」というタテマエひとつのために、厚生労働省はこのような条件をつけようとしているのです。 |
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厚生労働省は「改正薬事法の経過措置は通常2-3年なので、短い方の2年をとった。2年経ったら原則に戻す」と言っています。離島および継続購入に限るという規制自体、ナンセンスなものですが、これらはあくまでも救済措置で、それすらも2年後にはなくなってしまいます。つまり2年後には医薬品のネット販売は第3類だけに限定されることになってしまいます。要するに今回の措置は第2類医薬品ネット販売の全面禁止を「先送り」したに過ぎません。
なぜ救済措置を講じなければならない状況になったかといえば、2月に出された「医薬品の通信販売は第3類に限る」という省令を強行すると、大きな混乱が発生することが判明したからです。一方で、検討会の議論が平行線をたどっているにもかかわらず、改正薬事法の施行日が近づいています。そのため、やむをえず救済措置という形になったのです。
医薬品のネット販売もさらなる安全な販売環境の整備につとめなくてはなりません。だからといって全面禁止するのもおかしいです。本来は、医薬品をネット販売するにあたって、どのような安全策を講じるべき、というルールを整備することこそ、厚生労働省がやらねばならないことです。このことは僕も2005年より再三にわたって指摘してきました。しかし、厚生労働省は安全策の整備を怠り続け、かわりに「この医薬品(第3類)だけなら売ってもいいよ」、今度は「誰と誰(離島住民と継続購入者)だけになら売ってもいいよ」という本質と外れた規制を作り続けています。 今回、期限付きの経過措置を行うことで、医薬品ネット販売はどのような安全策を施す必要があるかという議論を中断させてしまうのであれば、厚生労働省の更なる怠慢としかいいようがありません。 |
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薬剤師が常駐するネット薬局であれば、適切な安全策をとることによって、当然、「ガスター10」、「リアップ」などの第1類医薬品も販売できるはずだと、僕は以前から主張しています。
ただし、改正薬事法施行日である6月1日が目前にせまる中で、ネット販売は第3類のみに限定されると大混乱が起こるだろうということで、4月28日に開かれた第5回検討会において、当面の間、第2類医薬品の通信販売だけでも継続させて欲しい旨、お願いしました。そのような経緯から今回の省令案では第1類医薬品のネット販売は認められていません。
今回、僕はこの件に関して譲歩した条件を提示しましたが、適切な安全策をとることにより第1類医薬品も販売できるはずという主張に変わりはありません。 |
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パブコメとは、行政手続法で定められているもので、規制を定める際に厚生労働省がその規制に対する国民の意見を求めることです。厚生労働省は今回の省令案を、実際の省令にする際に、パブコメで出された意見を十分に考慮しなければなりません。
特に今回の件に関しては、舛添厚生労働大臣から「国民的議論にしたい」という意向を受けています。つまり、今回の省令案で困るという方、省令案はおかしいという方がいれば、そのパブコメを厚生労働省は受けつけ、そのパブコメの意見を十分に考慮した上で、実際の省令を出すというわけです。
あなたのパブコメが、今回のヘンテコな規制を変えます。 |
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パブコメは通常30日以上の募集期間が必要とされています。しかし、今回は改正薬事法施行が間近だということで、異例で短く、たったの1週間しか募集されません。5月18日が締切です。厚生労働省が、今回のへんてこな規制を国民に気づかれないうちに、どさくさに紛れて強行突破してしまおうという魂胆が、実に透けて見えます。
だからこそ、あなたのご意見をパブコメで今すぐに厚生労働省にぶつけてください。そして、できればより多くの方に、このことを知らせてください。あなたの貴重なパブコメが、へんてこな規制を、日本の未来を変えるのです。 |
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