仰るようにビタミン剤の場合、合成のビタミン剤と天然由来のビタミン剤があります。一般には天然由来のビタミンの方が吸収はいいといわれていますが、これは種類によっても異なるようです。ビタミンEは天然由来のものの方が吸収がいいのですが、ビタミンCについては、変わらないという実験結果もあるようです。
ビタミンC(アスコルビン酸)を例に取ってみます。合成のビタミンCはトウモロコシなどのデンプン(ブドウ糖)を化学分解してアスコルビン酸として大量に作られ、合成過程で石油を原料とした薬品を使用することもあります。これが、身体にとっては異物であり、分解・吸収されにくい、という意見もあります。
これに対し、天然由来のビタミンCはアセロラやローズヒップなどから抽出されますが、その際にビタミンCの吸収を助ける酵素や、ビタミンCの働きをバックアップするアントシアニン(ビタミンPのひとつ)も微量ながら抽出されます。
つまり、天然由来のビタミン剤にはそれが効率よく働くような微量成分が自然に含まれているのです。また、合成の方が大量に簡単につくることができるので、安くなっています。このコストが、合成ビタミンと天然由来のビタミンの大きな違いといえます。
例えば、カロテンは合成サプリメントの世界では「βカロテン」しかありませんが、自然界には「αカロテン」「γカロテン」もあります。
この偏った摂取に問題があることが明らかにされた報告があります。ガンを予防すると考えられているβカロテンですが、1985年から93年まで行われたフィンランドの50歳から69歳の喫煙男性29,133人を対象とした調査で、毎日20mg(33,000IU)のβカロチンサプリメント(合成)摂取群の肺ガン発生率が18%も増加したという結果が発表されました。その後、サプリメントの摂取を中止したところ、肺ガンリスクは低下し始め、4年以内にプラセボ群と同程度まで低下したということです。
これに対し、βカロテンとαカロテン、リコピンを含有したサプリメントを肝硬変の患者さんに摂取してもらったところ、肝硬変から生まれる肝臓がんの割合が半分以下に下がったという報告があります。これを受けてかどうかはわかりませんが、最近では、βカロテンのサプリメントでも他のカロテン類も配合になっているものが製品化されてきています。
天然由来のβカロテンは他の微量成分も含まれていますので、合成のカロテンほど喫煙者に対するリスクは少ないと思いますが、特定のものだけを摂取することは限界があるということのようです。
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