日本オンラインドラッグ協会、『薬事法施行規則等の一部を改正する省令案』について
パブリックコメントを提出

2008年10月16日

「日本オンラインドラッグ協会」(以下、「協会」、理事長:ケンコーコム株式会社代表取締役 後藤 玄利)は、厚生労働省より発表、同時にパブリックコメントの募集が開始された、『薬事法施行の一部を改正する省令案』(以下省令案)について、パブリックコメントを提出しました。

  9月17日に厚生労働省より発表された、省令の制定に先立つ省令案では、『郵便その他の方法による医薬品の販売等【法第9条、第11条、第38条、新法第29条の2関係】』(省令案p14)において、薬局販売者、または店舗販売者は『 第三類医薬品以外の医薬品を販売し、又は授与しないこと。』 (同p14)と明記されています。

この省令案は、明確な理由なく、現在インターネット等を通じて購入ができている、解熱鎮痛剤や風邪薬、胃腸薬、水虫薬、妊娠検査薬、および漢方薬など大半の医薬品について、実態にそぐわない規制強化をおこなうものであり、当協会としては、到底納得できるものではありません。

 そのため、当協会は、一般用医薬品(第三類を除く)のインターネット販売を一律に禁止する定めは不当であるとして、主に以下の理由を掲げました。

【主な理由】
1.インターネットにおいても、専門家による十分な情報提供が可能であること。
2.これまでインターネットで医薬品を購入してきた消費者にとって、多大な不便を強いる規制であること。
3.インターネットで医薬品を販売する事業者のうち、売上の多くをインターネットで占める個人薬局や、郵送での販売を行ってきた中小家庭薬メーカーの経営に多大な影響を与え、官制不況を招きかねない。
4.薬剤師という有資格者が、店頭においては第一類医薬品の販売ができるにもかかわらず、インターネットでは登録販売者も販売可能な第二類医薬品すら販売できないのは制度矛盾である。
5.“対面の原則”を主張するならば、必ずしも医薬品を使用する者に対し直接販売を行わない配置販売においてはそれが認められ、郵送等による販売では認められない理由が明確ではない。
6.本省令案のもととなる検討会について、構成メンバーに偏りがあり、インターネットで医薬品を購入している消費者や、インターネットでの医薬品販売に精通する委員が不在であった。その中で、十分な議論がなされているとは到底言い難い。
7.当協会が厚生労働省に対し提出した、『対面の原則を担保し、安全・安心な医薬品インターネット販売を実現する自主ガイドライン』について、一切の意見や返答のないままに規制が強化されようとしている。
8.既に欧米各国では医薬品のインターネット販売が普及しているにもかかわらず、それを規制強化しようとする本省令案は、世界の流れに逆行するものである。
9.インターネット技術の進歩はめまぐるしく、また電子商取引は国民生活にますます浸透してきている。このような社会経済情勢があるにもかかわらず、インターネットでの医薬品販売を規制することは、将来にわたり、消費者により安心・安全・便利をもたらすインターネット技術や電子商取引の機能の発展を阻み、ひいては消費者が将来享受するはずの便益を損なう。
10.改正薬事法第36条の6等には販売者の医薬品販売にあたり「適正な使用のために必要な情報を提供」する義務(または努力義務)が定められているが、文言上「対面の原則」を求めてはいない。法律上明確な規定がないまま省令で「対面の原則」を求めるのは不当である。
11.現行薬事法において医薬品のインターネット販売が適法であることは厚生労働省も認めており、かつ改正薬事法では同第37条(販売方法等の制限)を改正していない。にもかかわらず、薬事法上適法な医薬品のインターネット販売を、今回は改正されなかった条文を根拠に、省令によって禁止することは、改正薬事法による省令への委任の範囲を越えるものであり不当である。

【今後について】
当協会は今後も、これまで継続して取り組み続けてきた、対面の原則を担保し、安全・安心な医薬品のインターネット販売に関するより一層の理解促進を図ると同時に、医薬品の安全・安心なインターネット販売を通じ、一般用医薬品をリスク分類に関わらずインターネットで購入できる環境を目指し、活動を続けてまいります。

※パブリックコメントとして提出した意見の詳細については、下記資料をご参照ください。

【お問い合わせ先】
日本オンラインドラッグ協会 事務局(ケンコーコム株式会社 広報担当) 高須賀(たかすが)
 TEL:03-3584-4138 MAIL:pr@kenko.com


【参考:日本オンラインドラッグ協会について】
○活動内容 
インターネット上での医薬品販売に関する意見集約、関連情報の収集・共有、ならびに自主規制案の作成など
○活動理念
 『わたしたちはインターネットを活用して、薬物の乱用がなく、一般市民が安全に医薬品を購入できるような社会の実現に貢献します。』
○会員総数    薬局・薬店 38名(2008年10月現在) 全20都道府県
○主な活動歴
平成17年12月:
インターネットを活用して医薬品を販売する薬局・薬店により、国民の利便性と安全性を確保するための自主規制を策定する任意団体「インターネット販売のあり方を考える薬局・薬店の会」を発足。
平成18年 1月:
安全性の確保を前提としつつ購入者の利便性に配慮した医薬品の販売方法として、新たな通信技術であるインターネットによる販売容認の検討を求める要望書を厚生労働省に提出。
平成18年 4月:
医薬品のオンライン販売に関する自主規制案を厚生労働省に提出。
平成18年 7月:
インターネットを利用した医薬品等購入の環境整備をとおして国民に対する社会的責任を果たすべく、特定非営利活動法人 日本オンラインドラッグ協会を設立、認証を受ける。
平成19年 1月:
医薬品のリスク分類に関するパブリックコメントを厚生労働省に提出。
平成19年10月:
登録販売者制度に関するパブリックコメントを厚生労働省に提出。
平成20年4月:
「医薬品の販売等に係る体制及び環境整備に関する検討会」において、インターネットを使用した情報提供のありかた、ならびに一般用医薬品販売の流れについて、理事長の後藤ならびに理事長江が、陳述人としてスピーチを行う。
平成20年8月:
 『対面の原則を担保し、安全・安心な医薬品インターネット販売を実現する自主ガイドライン』発表、厚生労働省に提出。 

【参考資料】
○宛先:厚生労働省医薬食品局総務課
○法人名:NPO法人 日本オンラインドラッグ協会
(担当者:NPO法人 日本オンラインドラッグ協会 理事長 後藤 玄利)
○所在地:〒107-0052 東京都港区赤坂3-11-3 赤坂中川ビルディング2階
○電話番号:03-3584-4156
 FAX 番号:03-3584-4158
○件名:薬事法施行規則等の一部を改正する省令案について
○意見:
【該当箇所】
 郵便その他の方法による医薬品の販売等【法第9条、第11条、第38条、新法第29条の2関係】
・薬局開設者又は店舗販売業者は、その薬局又は店舗以外の場所にいる者に、郵便その他の方法による医薬品の販売又は授与(以下「郵便等販売」という。)を行う場合、次の1〜3に掲げるところにより行わなければならない。
1 第三類医薬品以外の医薬品を販売し、又は授与しないこと。
2 当該薬局又は店舗に貯蔵し、又は陳列している医薬品を送付すること。
3 当該薬局又は店舗が郵便等販売を行うことについて広告をするときは、当該広告に薬局において掲示しなければならない事項と同じ情報を表示すること。
・薬局開設者又は店舗販売業者は、郵便等販売を行おうとする場合、あらかじめ、薬局又は店舗ごとに、その薬局又は店舗の所在地の都道府県知事(その店舗の所在地が保健所設置市又は特別区である場合は、市長又は区長)に、次の1〜3の事項を届け出るものとする。
1 当該薬局又は店舗の名称及び所在地
2 当該薬局又は店舗の許可番号及び許可年月日
3 当該薬局又は店舗の郵便等販売の方法
・前項の届出は、様式1による届出書を提出することによって行うものとする。

【意見】
 一般用医薬品(第三類を除く)のインターネット販売を一律に禁止する規制は不当である。

【理由】
1.インターネット上であっても専門家が適切かつ十分な情報を提供することは可能であるし、メールや電話、FAX等の通信機器を利用して専門家に相談することも可能である。さらにセルフメディケーションの見地からも、インターネットは、消費者が自ら必要な情報を自らに必要なタイミングで取得して適切な医薬品を選択することができるひとつの有用な手段といえる。にもかかわらず、一般用医薬品(第三類医薬品を除く)のインターネットによる販売を一律に制限しているのは不当だ。
2.本省令案では第一類医薬品について文書による情報提供を求められているが、インターネット上での情報提供はいわば電子文書による情報提供であり、インターネット販売においては文書による情報提供はすでに行われているといえる。様々な公文書・私文書の電子化が進められる現在、紙をもって情報を提供しなければならないとの規制は適当ではない。加えて、インターネットを利用した情報提供は画面上で情報を確認できるだけでなく、データとして保存したり、印刷して持ち歩いたりすることも可能であり、消費者が必要な時に必要な方法で確認して、医薬品を使用できるというメリットすらある。
3.当協会の会員である薬局・薬店では、数年にわたりインターネットで一般用医薬品を販売してきたが、現在までに、医薬品をインターネットで購入して使用した結果、副作用被害が起きたという報告はないし、インターネットや電子メール、FAX、電話等による情報提供が不適切または不十分なために医薬品を適切に選択できないという不平・不満は受けていない。インターネット販売について何ら問題が実証されていないにもかかわらず、これまでインターネットで販売することが許されていた医薬品の販売を合理的根拠なく禁止するのは不当である。
4.ドラッグストア等の店頭において医薬品を販売するよりも、インターネットで販売したほうがむしろ安全な部分すらある。たとえば、インターネット上では「使用上の注意」に記載された情報を基本として店頭よりも充実した情報を提供することが可能であるし、インターネット販売を含む郵便等販売の場合は購入履歴が原則として記録されているので、万が一健康被害が発生するおそれが生じた場合にも、購入者や使用者に対して当該医薬品の使用中止や製品回収を迅速に促すことができるため、かかる観点からは、店舗における販売と比較して一層の安全を確保できるといえる。
5.この規制によって、消費者がこれまでインターネットや郵便などを通じて購入できていた医薬品の7割近くのものが購入できなくなり、消費者の利便性を大きく損なうことになる。特に、離島や山間部で近くに薬局・薬店がない方、仕事や子育て・介護等で買い物に行きにくい方、障害者・寝たきりの方等、時間的距離的制約によって店頭での購入が困難な方が医薬品を購入するための手段を大幅に減じてしまうことになるため、かかる規制は不当であると考える。
6.かかる規制によって、消費者がこれまでインターネットや郵便を利用することで購入できていた地方の家庭薬や漢方薬など、近隣のドラッグストアや薬局・薬店ではその売場面積に限界があるために取り扱われにくかった医薬品が購入できなくなる。これは、消費者の医薬品の選択の幅を狭め、利便性を損なうだけの不当な規制であるといえる。
7.当協会の会員にはインターネット販売による売上が7割を締める個人薬局もあり、本案が省令として施行されれば、今後経営を維持することができなくなるおそれがある。また、チェーンドラッグストアの勢いにおされる個人薬局・薬店にとって、インターネット販売は将来的にも経営継続のための重要な一手法であるといえる。インターネット販売による副作用被害等がなんら実証されていないにもかかわらず、かかる一律な規制をすることは、個人薬局・薬店の活路を阻む不当なものである。
8.この規制の実施は、家庭薬メーカーなどの中小の製薬メーカーにとっても死活問題である。特に家庭薬は、薬局・薬店等の店舗における販売だけでなく、顧客の求めに応じて郵送やインターネットを通じて販売することで経営を維持できていた側面がある。今後これらの方法を活用できなくなれば、家庭薬メーカーをはじめとする中小製薬メーカーの経営に大きな影響を与えることになる。
9.この規制を実施することで、個人で経営する薬局・薬店の生き残りがいっそう困難になる。かかりつけの薬局・薬店が、引っ越したお客様やお年寄りなどの求めに応じて医薬品を郵送することは昔から行ってきたことである。一方、これまでに医薬品の郵送等を原因とした副作用被害は実証されていないし、郵送等販売についての問題が何ら具体的に明示・立証されない状況で、このような規制を行うことは、個人薬局・薬店の活路を阻むものであり、不当である。
10.このような規制は、生き残りをかけ、またお客様の安心・安全のために、創意工夫して頑張っている薬局・薬店を排除し、何もしない人たちを守る結果しか導けない。当協会の会員であるインターネットで医薬品を販売する薬局・薬店は、お客様の安全性や利便性を高めるため、また専門家による正確な情報をより充実させて提供するために日々努力を重ねてきた。かかる取組をする事業者がいる状況で一律に販売を禁止することは不当ではないか。むしろ、インターネット上でのリスクに応じた適切な情報提供・販売のための施策や、違法業者と識別するための仕組みを講じることが適切と考える。
11.一般用医薬品は、本来自己責任で使用するものであり、薬剤師は「使用上の注意」を基本とした正確な情報を伝達することを職能とするものである。薬剤師が情報提供や相談応需を行うにあたって、形式としての対面を要求することで消費者の安心・安全を担保できるわけではない。重要なのは、専門家によって消費者が正しく理解・選択できるようにきちんと情報提供できているか否かである。よって、かかる一律禁止の規制は不当である。
12.薬剤師は店頭では第一類医薬品を販売できる一方、インターネット販売を含む郵便等販売によっては、たとえ薬剤師が情報提供したとしても第三類医薬品しか販売できない。販売方法の違いのみを理由に、薬剤師としての職能によって販売を認められている医薬品を販売できないのは制度矛盾である。
13.そもそも配置販売と郵便等販売はどこがちがうのか?配置販売業においても、薬剤師などの専門家が、現に医薬品を使用する者に対して直接情報提供するとは限らないのであり、対面の原則が担保されているとはいえないではないか。対面の原則が担保されているとはいえない配置販売業において販売が認められている一般用医薬品を、インターネットを含む郵便等の方法で販売することを認めないかかる規制は不当である。
14.登録販売者がいればコンビニですら第二類医薬品を販売できるにもかかわらず、インターネット販売を含む郵便等販売においては、薬剤師が情報提供・相談応需できる状態になっていても第二類医薬品を販売できないのは矛盾している。
15.本省令案のもととなる報告書を作成した検討会における構成メンバーが偏りすぎており、医薬品のインターネット販売を含む郵便等販売について十分な検討がなされたとはいえない。
16.改正薬事法案の検討部会・省令案の審議会においては、日々目覚しく進歩しているインターネットの技術を十分に理解している委員は少なく、既にインターネット販売において実装されている「薬剤師等による適切な情報提供」や「安全性確保のための体制」はもちろんのこと、インターネットを通じたオンデマンドな情報提供の実現可能性まで見通した適切かつ十分な検討が加えられたとはいえない。にもかかわらず、現時点で一般用医薬(第三類を除く)のインターネット販売を一律に禁止するのは不当である。
17.本省令案策定のための審議会において、「医薬品のインターネット販売については格別に時間をとってきちんと検討すべき」だという声があったにもかかわらず、十分な時間をつくって検討されなかった。このような状況にもかかわらず、一般用医薬品(第三類を除く)のインターネット販売を一律に禁止するのは不当である。
18.検討部会や審議会において、委員から、あたかもインターネット販売が原因で副作用被害が発生しているかのような発言があったが、かかる発言に明確な根拠は示されておらず、かつ副作用被害等の事実把握や検証すら行われなかった。このようにインターネット販売が引き起こす問題がなんら明示・実証されることなく、またインターネット販売を禁止する合理的な根拠も示されないなか、「インターネットは危ない」という単なるイメージだけをもって一般用医薬品(第三類医薬品を除く)のインターネット販売を一律に禁止するものであり、不当である。
19.当協会は、平成18年改正法の検討部会で懸念されていた医薬品のインターネット販売の「安全性の確保」を充実するために取り組み続け、薬局・薬店による医薬品のインターネット販売の信頼性を高めてきた。いまや多くのインターネット販売の薬局・薬店において「使用上の注意」をサイト上に掲載することが当然の状況にあるといえる。かかる状況があるにもかかわらず、専門家と直接顔をあわせないことのみを理由として一般用医薬品(第三類医薬品を除く)のインターネット販売を一律に禁止する規制は不当である。
20.検討部会や審議会において、インターネット販売を利用したことのある消費者の代表が委員として含まれず、各委員の意見は彼等の想像の域を超えるものではなかった。検討部会・審議会では、少なくとも実際に医薬品をインターネットで購入している消費者、購入したことがある消費者の意見を聴取すべきであったし、もしかかる機会があれば、委員はインターネット販売の必要性・許容性をより強く理解できたはずである。このような審議・検討しか行われなかったにもかかわらず、一般用医薬品(第三類医薬品を除く)のインターネット販売を一律に禁止する規制は不当である。
21.省令案を検討した審議会においては、日本および海外における医薬品のインターネット販売の実態を適切に把握・検証することなく、単なるイメージのみをもって議論がなされた。このように、医薬品のインターネット販売に対して適切な検討が行われたとはいえないまま、一般用医薬品(第三類医薬品を除く)のインターネット販売を一律に禁止する規制は不当である。
22.当協会は、医薬品をインターネットで販売する事業者が中心となって組織する団体として、インターネット販売における購入者の一般用医薬品の適切な選択及び購入・適正な使用に資するべく、購入者側のその時点の状態を的確に把握した情報提供や安全を確保するための体制を整備することを目的とした自主ガイドラインを作成し、厚生労働省に提出した。厚生労働省として本ガイドラインに何ら回答しないまま、改善の余地を与えないまま、一般用医薬品(第三類を除く)のインターネット販売を一律に禁止することは不当である。
23.アメリカや多くのEU諸国では、2005年時点で既に一般用医薬品のインターネット販売に対する規制はなかったし、それ以降もこれを大きく規制する動きはない。これは諸外国において一般用医薬品のインターネット販売による副作用被害等の重大な問題が生じていないことの現れであり、日本のインターネット販売においても問題が生じないことを推認させるに足る十分な根拠である。一般用医薬品(第三類医薬品を除く)のインターネット販売の一律禁止の規制は、世界的な流れにも逆行するものであり、不当である。
24.インターネット技術の進歩はめまぐるしく、また電子商取引は国民生活にますます浸透してきている。このような社会経済情勢があるにもかかわらず、現時点で一般用医薬品(第三類医薬品を除く)のインターネット販売を一律に規制すれば、近い将来、消費者により安心・安全・便利をもたらすインターネット技術や電子商取引の機能の発展を阻み、ひいては消費者が将来享受するはずの便益を損なうことになる。よって、一般用医薬品(第三類を除く)のインターネット販売を一律に禁止する定めは不当である。
25.今後流行が予想される新型インフルエンザなど、強力な感染力をもつ感染症が発症し、消費者が外出を控えなければならなくなるような事態が発生した場合は、インターネットや郵便等、患者と直接対面しない医薬品販売方法こそ安全を確保できるといえる。同様のことは、はしかやインフルエンザなどの流行によって、消費者が人ごみや繁華街への外出を控えなければならなくなるような事態が生じた場合にもいえる。
26.そもそも一般用医薬品は自己責任で選択し・使用するものである。書籍やインターネットなどを利用して、自らの責任で専門家が提供する適切かつ十分な情報を収集し、自らの判断で必要に応じて薬剤師などの専門家に相談することで、適切な医薬品を選択することは十分に可能である。よって、一般用医薬品(第三類を除く)のインターネット販売を含む郵便等販売を一律に禁止する定めは不当である。
27.改正薬事法第36条の6等には販売者の医薬品販売にあたり「適正な使用のために必要な情報を提供」する義務(または努力義務)が定められているが、文言上「対面の原則」を求めてはいない。法律上明確な規定がないまま省令で「対面の原則」を求めるのは不当である。そもそも一般用医薬品の適切な選択・使用にあたって重要なのは、「対面」という形式ではなく「医薬品の適正な使用のために必要な情報を提供させる」という実質である。適正な使用のための必要な情報の提供は、対面のみならずインターネットによっても実現可能である以上、かかる規制は不当である。
28.現行薬事法において医薬品のインターネット販売が適法であることは厚生労働省も認めるところである。かつ改正薬事法では同第37条(販売方法等の制限)を改正していない。にもかかわらず、@薬事法上適法な医薬品のインターネット販売を、A今回は改正されなかった条文を根拠に、B省令によって禁止することは、改正薬事法による省令への委任の範囲を越えるものであり不当である。
参考: 薬事法
(販売方法等の制限)
第三十七条 薬局開設者又は一般販売業の許可を受けた者(以下「一般販売業者」という。)、薬種商若しくは特例販売業者は、店舗による販売又は授与以外の方法により、配置販売業者は、配置以外の方法により、医薬品を販売し、授与し、又はその販売若しくは授与の目的で医薬品を貯蔵し、若しくは陳列してはならない。
2 配置販売業者及び特例販売業者は、医薬品の直接の容器又は直接の被包(内袋を含まない。第五十四条及び第五十七条第一項を除き、以下同じ。)を開き、その医薬品を分割販売してはならない。

以上


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