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2008/07/05

医薬品のネット販売における「対面の原則の担保」

本日、厚生労働省の「医薬品の販売等に係わる体制及び環境整備に関する検討会報告書」が出された。この報告書は医薬品のインターネット販売に関する今後の行政の方向を指し示すものである。

結論から言うと、今回の報告書は医薬品のインターネット販売に関して十分な理解の元で練り上げられたとはとうてい言えないものだが、前回の厚生科学審議会医薬品販売制度改正検討部会報告書(平成17年12月15日)と較べると、若干の前進がある。

今回の報告書で、医薬品のインターネット販売に係わる部分を抜粋すると以下のようになる。

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対面販売の原則と情報通信技術を活用した情報提供の関係

 医薬品の販売にあたって専門家が対面によって情報提供することが原則であることから、販売時の情報提供に情報通信技術を活用することについては慎重に検討すべきである。第一類医薬品については、書面を用いた販売時の情報提供が求められていることなどから、情報通信技術を活用した情報提供による販売は適当ではない。

薬局又は店舗における医薬品の通信販売

 薬局又は店舗販売業の許可を受けているものが、当該薬局又は店舗に来訪していない購入者から医薬品の購入の申し込みを受け、当該薬局又は店舗から、購入された品目を配送する方法による販売(以下「通信販売」という。)を行うことについては、購入者の利便性、現状ある程度認めてきた経緯に鑑みると、その薬局又は店舗での販売の延長で販売時及び相談時の情報提供が行われるものであれば、一定の範囲の下で認めざるを得ない。
 この場合、販売時や販売後の相談においても、相談があった場合の情報提供が専門家によって行われていることが購入者から確認できるような仕組みをもうけるとともに、相談の内容によって、薬局又は店舗で対面により相談に応じることが可能な体制を確保する必要がある。また、購入者に2.(4)?に掲げる情報の伝達を図るべきである。
 これらの点を確認するため、通信販売を行う場合、薬局又は店舗販売業の許可を受けているものはあらかじめ通信販売を行うことを届け出ることが適当である。
 また、取り扱う品目については、情報通信技術を活用する場合は、販売時に情報提供を対面で行うことが困難であることから、販売時の情報提供に関する規定がない第三類医薬品を販売することを認めることが適当である。販売時の情報提供を行うことが努力義務となっている第二類医薬品については、販売時の情報提供の方法について対面の原則が担保できない限り、販売することを認めることは適当ではない。
 なお、本項目の検討に当たって、薬局又は販売業の許可を受けて通信販売を行う事業者の団体から、現状の通信販売の実態、自主的な取り組み等について意見聴取を行ったことを申し添える。
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ここで、言葉の定義をすると
第一類医薬品(ガスター10等、スイッチOTCのような効き目の強い医薬品)
第二類医薬品(風邪薬、漢方薬等、大半の医薬品)
第三類医薬品(ビタミン剤等効き目、リスクが軽微な医薬品)

要するに、第一類医薬品の販売は適当でないとされている。
第三類医薬品の販売に関しては認めている。

第二類医薬品は「販売時の情報提供の方法について対面の原則が担保できない限り、販売することを認めることは適当ではない。」とされている。対面の原則が担保できない限り認めないということは、対面の原則が担保できれば認められると読みとれる。
情報通信技術を活用すれば、安全・安心を十二分に担保できる。例えば、ケンコーコムで医薬品を買おうとする人は、お買い物ボタンを押すとこのようなアンケートに答えなければならない。そして、使用が適切でないと判断されれば、その医薬品を購入することができない。薬剤師に何らかの質問があれば、テレビ電話で相談することができる。購入後に、万一、商品の回収等が必要となっても、誰がどの商品を購入したかが把握されているため、迅速に情報提供や回収を行うことができる。
楽天の三木谷さんが、「インターネット販売は究極の対面販売だ」といっているが、まさにその通りだと思う。

第一類医薬品に関しても言いたいところはある。書面を用いた販売時の情報提供はむしろインターネット販売が得意とするところである。だが、第二類医薬品の枠組みが先決だ。

当面は、医薬品のインターネット販売に関しては「対面の原則の担保」が大きなキーワードとなる。この担保をしっかりと行う、枠組みを指し示し、遵守していくことが、医薬品のインターネット販売の安全・安心につながるし、そもそも消費者に求められているものである。急速に進化する情報通信技術を活用し、「対面の原則の担保」をよりたしかなものにしていくのが、医薬品のインターネット販売を切り開いている
僕たちの大きな責務である。

2008/05/08

2007年度の総括

先日、ケンコーコムの2007年度の決算発表を行った。
その際に、僕なりの総括としてのレターを添付した。ケンコーコムを立ち上げて8年が経ち、Eコマースを僕がどのようにとらえているかをまとめたものでもある。
昨年度、ほとんどブログを更新しなかったので、ケンコーコムの1年の取り組みのまとめとして、添付します。

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平成203月期、ケンコーコムは一つのハードルをクリアしました。そして、もう一つのハードルのクリアもあと一歩のところまで来ています。

クリアしたハードルは10万商品の品揃えです。今年の3月、当社の品揃えは10万点を突破しました。商品数にこだわることは、従来型の小売の視点からすると奇異に映るかもしれません。従来型の小売は効率化を追求し、商品数を売れ筋に絞り込んでいます。

ケンコーコムは健康におけるEコマース分野でNo.1の存在であり続けたいと思っています。そのためには、まず、それぞれのお客さまから見て、もっとも便利なお店である必要があります。お客さまは、「豊富な品揃え」、「心地よい顧客サービス」、「適正な価格」の3つを満たしているお店を選択します。近所のお店では買えないニッチな商品を購入されることが多いEコマースにおいては、「豊富な品揃え」が第一の差別化ポイントになります。10万点の品揃えを達成できたことで、後続の競合に大きな差をつけることができました。

あともう一歩でクリアできそうなハードルは年間100億円の売上です。平成203月期の売上は80億円でした。100億円の売上は、現在進行中の平成213月期中にも達成できる見通しです。

ケンコーコムの現在の段階においては、売上そのものが、今後さらに成長するための燃料となっています。売上の急成長によってはじめて、先行投資の回収と適正な価格の提供が可能なのです。

物流・システム両面における先行投資は「心地よい顧客サービス」を毎日、数多くの人に提供するために必要です。この先行投資を回収するには、それなりの売上規模が必要です。また、数百億円から1千億円以上を年間に売り上げる既存の大手流通と較べて遜色のない「適正な価格」を提供するためには、当社もスケールメリットを追求しなければなりません。

平成203月期は残念ながら売上が65億円から80億円へと、22.2%しか成長できませんでした。当社を取り巻く環境は日本の消費マーケットの低迷、健康食品マーケットの一時的な落ち込み、競合との価格競争等、必ずしも成長に良好とは言えませんが、それにしても20%台前半の成長率には私自身も物足りなさを感じています。特に上期は前年同期比14.1%の伸びと危機的な状況でした。そのため、商品数増加のスピードアップ、価格政策の見直し、顧客サービスレベルの向上等の施策を行い、下期は前年同期比30.0%の伸びにまでアクセルを踏むことができました。

このように、平成203月期は通年での売上成長が低調であったことに加え、競合との価格競争により粗利率が低下したため、営業損益、経常損益、当期純損益いずれも赤字になってしまいました。平成19515日発表の通期業績予想ではいずれも黒字になる計画でしたが、それを実現できず、大変申し訳ありません。

当社としては、売上成長や先行投資を抑制し、利益を確保するという選択肢もありましたが、そのような意思決定はしませんでした。現在は、キャッシュフローさえ十分に確保していれば、短期的な利益の実現よりも、将来の利益への布石の方が重要だからです。

当社の位置する「健康」の「Eコマース」のマーケットは非常に魅力的です。健康関連商品の消費者向け流通市場は数兆円の規模があり、そのうちの一定割合がEコマースで行われるようになると、巨大な市場が誕生します。Eコマースの世界ではカテゴリーのトップクラスの企業だけしか生き残れません。ケンコーコムにとって現在何よりも重要なのは、マーケットにおけるリーダーシップの確立と、将来のサービス向上にむけての先行投資です。今後も当面は、この状況は変わらないと思います。Eコマースは長期にわたって、じっくりサービスを練り上げてはじめて、将来の大きな果実を得られるビジネスです。

ケンコーコムが大きな果実を得るまでに、まだまだ多くの高いハードルがあります。しかし、お客さまに支持していただけるサービスを作り上げるよう、ねばり強く取り組み、マーケットにおけるリーダーシップをとり続けることにより、これらのハードルはいずれもクリアできると信じています。

これからも全力で業務に邁進してまいります。今後も引き続き、ご指導、ご支援のほど、よろしくお願い申し上げます。

2008/04/23

有害情報規制法案vs5社

ヤフー・楽天など5社が自民ネット規制案に反対表明
http://it.nikkei.co.jp/mobile/news/index.aspx?n=MMIT2A000023042008

マイクロソフト、ヤフー、楽天、ディー・エヌ・エー、ネットスターのインターネット関連企業5社は23日、自民党の青少年特別委員会で検討されている青少 年保護のためのインターネット規制法案に反対する意見書を同党に提出したと発表した。民間主導の取り組みを軽視し健全な事業者だけに負担を課すなどの理由 で、今後も事業者規制につながるような法制化の動きには反対していくという。
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今回の有害情報規制法案の件では過剰な規制案のアイディアコンテストが突然行われ、ユーザーと健全な事業者が不意打ちを食らっているように見える。今まで、各社の対応はそれぞれが独立しており、別々の防戦を行っていたようだ。
ここにきて、5社が一致団結して規制案に反対表明を行った。今回、マイクロソフト、ヤフー、楽天、ディー・エヌ・エーらが足並みをそろえたのは、今後のインターネット業界にとって大変良い兆候だと思う。
彼ら大手事業者は、それぞれ自社の拡大に余念がなく、業界の横の連携を指向すると言うよりも、モンロー主義的な動きをしてきたように見える。そのため、大手事業者で共同で業界としての主張をするということはほとんどなかった。唯一の例外として僕が記憶しているのは、オークションルールを自主的に作る取り組みぐらいだ。
今回は有害情報規制法案という黒船が突如来航したことで、業界としての共同のアピールをすることになったようだ。インターネットは近年、急速に普及したとは言っても、まだまだ多くの人からは驚くほど理解されていない。使い慣れた人から見ると、これほど便利な道具はないと思えるが、相当数の人からは、怪しい、うさんくさい、有害な情報が氾濫している、等、かなりネガティブなイメージを持たれている。インターネットを生活の一部にしている人と、それを遠くから傍観している人の間には、大きな断崖がある。そして、インターネットを生活の一部にしている人が、更にその世界を便利にし、深く入っていくと、断崖の上にいる人たちは、それを退廃だと見なし、自分たちの世界に引っ張り戻そうとするのだろう。
ここ数年で、引っ張り戻そうとする力が急速に強まってきている。特に、引き戻そうとする際に、政治や行政の力を使うケースが増えている。その場合、個々が抗弁して、自分の正当性を主張しても、ほとんど無力である。ネットの中で、どのようなことが起こっていて、それが暴走しない仕掛けがどのようにあるかということを、業界としてしっかり主張することが、これからますます必要となるだろう。

2008/04/04

医薬品のインターネット販売

気がつけば、ブログの更新が9カ月もの間滞ってしまっていた。あまりに長く滞っていたが、久しぶりに書こうかと思いたちました。

今日は「医薬品の販売等に関わる体制および環境整備に関する検討会」という厚生労働省の検討会に日本オンラインドラッグ協会の理事長として陳述する機会をもらった。この検討会は5回目だが、医薬品の情報通信技術を活用した販売、特に医薬品のインターネット販売の今後のあり方について、議論が発散する傾向にあったので、実態を調査しようということで、このような場でスピーチをすることになった。
以前からこの検討会を傍聴していたが、議論の中で、医薬品のインターネット販売というと海外からの個人輸入や未承認医薬品の販売と混同されるケースも見られたが、そのあたりの誤解は解けたのではないかと思っている。
一方で、さまざまな委員の方から、インターネット販売における、薬剤師の表示ルールや販売の可否に関する判断の根拠等、いくつかの質問を受け、この問題に関する関心の高さを感じた。
日本の中には、インターネットによる販売を必要としている消費者の方も大勢いる。そのような方々に、安全・安心に医薬品を販売できる体制を今後いっそう強化していきたい。

また、ちょくちょくブログを更新していきます。

2007/06/27

LAオフィス設立

ロサンゼルスに子会社を作ることにした。
アメリカでEコマースをやろうというわけではない。現在のケンコーコムのお客様はほとんど日本にいるが、そのお客様への顧客サービスの一部をロサンゼルスでやろうと考えている。ロサンゼルスと日本の間には16時間の時差があるので、ロサンゼルスで日中働くと、日本では深夜から朝にかけて働くことになる。この時間帯に働くことがEコマースでは重要だ。
Eコマースではウェブからの注文やEメールによるお問い合わせは24時間流れてくる。ウェブの注文の中で、与信管理や特殊なリクエスト等、人手を介さないといけないものもある。Eメールは案外、夜送られてくる。ケンコーコムの顧客サービス業務は朝9時から行っているが、午前中はウェブ注文の精査、電話の受付、Eメールへの回答で戦場のようになってしまう。これを軽減するためのアイディアの一つが時差を使ったロサンゼルスでの顧客サービスだ。
昨年、僕が西海岸に出張していた際、現地の昼間にやっていたことを夕方に日本に引き継ぐと、ちょうど日本の業務開始時間だったのでスピーディーに仕事が進んだ。そこでひらめいたのが今回のアイディアだ。オープンし、軌道に乗せるまではまだまだ数多くの障壁があるが、サービス向上とコスト削減の一石二鳥を実現するために、しっかりと取り組んでいきたい。

イーショッピングワインリニューアル

前期の決算や株主総会でバタバタしているうちに、前回のブログ更新から2ヶ月が経っていた。
昨日、やっと株主総会が終わったので、書き忘れたことも含めていくつか書きます。

先週、イーショッピングワインのサイトがリニューアルオープンされた。これは今まで菱食が中心となって運営されていたイーショッピングワインのサイトを、ケンコーコムのECエンジンでリニューアルしたものだ。イーショッピングワイン、菱食、ケンコーコム、および開発会社の知恵を出し合ったので、結構いいものに仕上がったのではないかと思っている。ワインは産地やワイナリーが多岐にわたり、またヴィンテージによってもSKUが異なるので、非常に大きなロングテールのマーケットとなっている。ケンコーコムのECエンジンはロングテールの商品と相性がよいので、リニューアルサイトでマーケティングをドライブできればと思っている。ワインのマーケットは医薬品や日用品雑貨のマーケットと較べるとわかりづらい商習慣等もいくつかあるが、そういったチャレンジを乗り越えて新しいマーケットを切り開きたい。
ちなみに、リニューアルセールのこのワインはイーショッピングワインのバイヤー曰く、超破格値とのことです。

2007/04/25

アマゾン、ショッピングモール開設

amazon.co.jpがショッピングモールを開設した。
アメリカのamazon.comでは2002年から行っている「Merchants@」サービスの日本版だ。
厳選したECサイトのみに参加させるという点では、楽天というよりもYahoo!Japanが行っていた初期のYahoo!Shoppingに近いものがある。初期のYahoo!Shoppingでは出店のハードルが高く、そのために品数が集まらず、楽天と較べると閑散としてしまった。そのため、数年後には出店のハードルを大きくさげ、楽天と同等の出店基準にした経緯がある。結果的には、楽天と同等の出店基準にすると、今度はユーザベースで楽天に見劣りし、楽天との相対的な差が固定化すると共に、初期のセレクトショップは大きく売上を落としてしまった。
その当時とは状況が違うし、Merchants@プラットフォームはアマゾンのブランドを前面に出しているという点で、初期のYahoo!Shoppingともかなり違うので一概に言えないが、Yahoo!Japanが突き崩せなかった「モールの楽天」という壁をamazon.co.jpがどのように崩していこうとするのか、今後ウォッチしていきたい。

2007/04/11

日本ドロップシッピング協会設立

日本ドロップシッピング協会が設立された。ケンコーコムも発起人となっている。
ドロップシッピングやウェブサービスといった新しいうねりが、ここ1-2年の間に急速に普及し始めている。この動きは、Eコマースを新たなパラダイムに移行させる強力なドライバーになる。従来のEコマースはメーカーや卸から各社が商品を仕入れ、自社のウェブページを通して、消費者に販売するというコマースサイトごとに垂直統合したモデルが一般的だった。しかし、ここにきてドロップシッピングやウェブサービスという、他のコマースサイト、倉庫等と柔軟に接続するプロトコルが出現してきた。今後起こるのは、各コマースサイトが機能コンポーネントごとに分解され、それぞれのコンポーネントがドロップシッピングやウェブサービスを通じて、他のコマースサイトのコンポーネントと組み合わせる動きだろう。
ドロップシッピングやウェブサービスはまだ黎明期で、各社独自仕様のサービスを展開しているが、こういった協会設立等の動きが契機となり、近い将来に何らかの標準化されるだろう。その後に何が起こるか。Eコマースのバリューチェーン再構築が確実に起こる。こういった一連の動きの中で、今回の協会設立は大きな意味を持つと思う。

2007/04/02

脳はなぜ「心」を作ったのか

先日、グーグルの村上社長と会食をした際に、脳はなぜ「心」を作ったのかという本を薦められた。前野隆司氏という慶応大学の理工学部の教授が書いたものだ。ロボット作りの教授が書いただけに、システムやプログラムとして脳や心を理解しようとしているところが伺え、心理学や哲学、医学に縁遠い僕が読んでも結構わかりやすかった。この本では受動意識仮説というものが示されており、人間は意識してから行動しているのではなく、実は行動したり決断したりした結果を記憶するために意識が存在するのだという。学説的にこれが正しいかどうかはわからないが、たしかにこのような仮説を持つことで、心を持つロボットができるまでの道のりは相当短縮されるかもしれない。
むしろ興味を持ったのは、グーグルの日本社長がこの本を絶賛していたこと。60歳になる村上社長は何となく、Google会長のエリックシュミットのような存在に近いものを感じるが、心を持つロボット作りに夢を持ち続ける気持ちが、創業メンバーと通じるんだろうなと思った。
受動意識仮説が正しいかどうかはわからないが、そのような仮説を持つと、自分に関する世界観が変わるし、会社等の組織のあり方に対する見え方も変わってくる。そういった意味で新鮮だった。

2007/03/16

イーショッピングワイン社外取締役就任

本日、イーショッピングワインの社外取締役に就任した。先日ケンコーコムと資本・業務提携した菱食が中心となって運営するワインのEコマースサイトだ。以前から、ワインはEコマースに親和性が高いと感じていた。ロングテールの品揃えが武器になり、商品を選択する上で多くの情報を必要とする商品はEコマースにフィットしやすい。ロングテールの品揃えはリアルの店舗よりもネット上の方が展開しやすく、またロングテールの品揃えから消費者個々人の買いたい商品を見つけだすのもネットの方が便利だからだ。
もちろん、ワインがEコマースにフィットすることは多くの企業が気づいているので、既に競争が激しい業界である。esワインも残念ながらまだ業界リーダーのポジションは獲得できていない。だが、業界リーダーをねらえるポテンシャルは十二分に持っていると思う。esワインは強力な調達および物流のポテンシャル、サービス改善に取り組むスタッフを持っている。さらにテクノロジーとマーケティング力を強化すれば、きっと面白いことができるとワクワクしている。この業界に関しては全くの素人だが、こちらでもネットが買い物の利便性を向上できるよう、しっかり取り組んでいきたい。

2007/02/06

ポイント制あれこれ

amazonが今月からポイント制を導入した。ポイント制はサービス業や小売にとって麻薬のようなものだと言われるが、彼らが導入することのメリット・デメリットはどうなのだろうか?僕も明快な答えを持っていないが、いつも気に留めていることをいくつか書きつづってみる。

1.航空会社のマイレージと小売のポイント制
航空会社のマイレージは確かに非常に魅力的なサービスだ。航空会社と利用者でWin-Winの関係が成り立っている。利用者からすると無料または格安で旅行できるのはうれしい。一方で航空会社からすると、マイレージの無料航空券の原価はほとんど無料。無料航空券を発行しようがしまいが、航空会社は飛行機を飛ばしている。空席があれば、そこに無料で人を乗せても原価はほとんどかからない。
小売の場合はそうはいかない。小売は物を仕入れて販売しているので、仕入部分はまるまる原価となる。例えば、原価率80%の小売であれば、100円分のポイントが利用されると80円分の原価が発生してしまう。

2.家電量販店やデパートのポイント制
供給者サイドからの価格支配力が強い場合にポイント制が活用されているらしい。商品のブランドイメージを崩さないために、名目上の販売価格は業界内で一定水準に保たれていても、実際の値引きをさらに拡大するためにポイントを活用しているようなケースがいくつかの業界では見られるらしい。例えば、家電量販店で10%ポイント還元とかやっているのは、こういう事情もあるらしい。

3.利用者から見たお得感
購入単価が低い業態の場合、利用者にお得感を伝えるのが難しい。
例えば、1回の購買単価が3千円の小売で、ポイント付与率が1%の場合、1回の購入に対しては30円分の金銭的価値のポイントを付与することになる。一方、飛行機で欧米へ1往復すると数千?1万マイル程度のマイレージがたまる。利用者から見ると数千円から数万円の金銭的価値に見える。10万円の家電を買って10%のポイントが付くと、利用者から見ると1万円程度の金銭的価値に見える。

4.ポイントのハンドリングコスト
ポイントのハンドリングにかかるコストは馬鹿にならないと思う。返品等が発生すると、それに対する取り消し処理が発生する。また、ポイント付与タイミングや失効に対する問い合わせのような業務も少なからずある。これらのハンドリングコストは付与の金額ではなく、付与の回数にある程度比例すると思われる。一度に付与するポイントの金銭的価値が大きければ、付与側から見たハンドリングコストのインパクトはさほど無いが、ポイントの金銭的価値が小さければ付与側の労の割に利用者がメリットをさほど感じないようなことになりかねない。

5.モールのポイント制
ここまで、購買単価が低い小売におけるポイント制導入に関して、いくつか難しい店があることを書いたが、Eコマースでは購買単価が低い割にポイントが結構普及している。また、楽天をはじめとするモールでは、ポイント制の導入が一つの大きな成功要因になっているように見える。どうしてこれがうまくいくか?ポイントの原資をモール運営者ではなく、テナントが負担しているためだ。しかも、返品等の面倒なハンドリングもテナントが行っている。利用者から見ると、ポイントによる値引きはありがたいので、流通量も増える。モール運営者と利用者はうれしい限りだが、テナントから見るとメリット・デメリット双方が存在する構造になっている。

今回のamazonのポイント制導入のアナウンスが大々的に行われたわけではないのは、こういった状況を考慮したのかなと勝手に想像している。購買単価が低い小売においては、上で挙げたハンドリングコストも馬鹿にならないので、ポイント分も織り込んだ価格設定をすればいいんじゃないかなと、理屈の上では思う。ただ、Eコマースの世界ではモールがポイント制を普及させながら成長してしまったので、単に合理性の問題だけではすまなくなってしまった。amazonジャパンが購買単価の低い小売としてポイント制をどう活用していくか、日本、いや世界のEコマースを変えるかもしれない大きな実験が始まった。

2007/01/22

Web Service開始

ケンコーコムは本日ウェブサービスβ版を立ち上げた。
アフィリエイト、ドロップシップ、ブログ、ウェブサービス、SEOなど、Eコマースのキーワードはいくつかあるが、今年はこれらのキーワードが急速に融合していく年だと思う。アフィリエイトとブログの組み合わせはここ1-2年で相当伸びたが、それ以外の組み合わせは今年いよいよ開花するだろう。ウェブサービスは上記のキーワードの中ではやや技術的に高度なものであるが、これを活用することで非常に情報リッチなコンテンツが生まれてくる。特にアフィリエイトとドロップシップは、ウェブサービスによりこれから1年で大きな変貌を遂げるだろう。

2006/12/21

パルタック&コバショウ

パルタックとコバショウが経営統合に向けた協議に入ったとのこと。業界内では以前から噂されていたことだが、いよいよ表面化してきた。これで、ドラッグストア流通の世界ではガリバーが誕生することになる。ドラッグストア業界は小売、卸ともに以前よりは集中化が進んでいるが、それでも他の業界と較べると多くのプレイヤーが乱立し続けていた。今回の経営統合への動きをきっかけに、さまざまな合従連衡が行われるようになるだろう。2007年はドラッグストア流通が激変する年になる。

2006/11/20

初トライアスロン完走

週末はグアムとサイパンの間にあるロタ島で行われたトライアスロンに参加。
生まれて初めてのトライアスロン挑戦だが、水泳1.5km、バイク40km、ラン10kmを3時間3分で完走した。トライアスロンというと鉄人レースといわれるものを想像し、過酷なものを想像していたが、少々しんどいものの、むしろ楽しく爽快なスポーツだった。朝6時半にスイムをスタートしたが、クロールで顔を上げるたびに空に大きくかかる虹が見え、顔を水につけると透き通る水の先に白砂と熱帯魚がしんどさを忘れさせてくれた。バイクとランも小さな村の村人たちが応援してくれる中をマイペースで走ることができた。水泳とサイクリングとジョギングをマイペースでこなすという点では、特殊な人がやる究極のスポーツというわけではなく、いつまでも楽しめるものだとわかった。今回の大会でも80歳代の方が立派に完走していた。一緒に参加したメンバー(トライアスロンボーイズ)でも、今年の6月まで全く泳ぐことができなかった60歳代の州村さんや昨年100kgを超える体重だったところから20kgの減量に成功した藤野さんも楽しく完走している。
コーチをしていただいた松山さんには大変おせわになり、スポーツの新たな楽しさを再発見させてもらった。来年は3時間を切ることを、これから1年間のスポーツをする際の目標にしよう。

2006/11/10

会社設立12周年、不祥事のお詫び、課題

11/8でケンコーコムは創立12周年を迎えました。
バブル崩壊後に会社設立して、荒波の中、干支を一回りできたのは多くの方が支えてくださったおかげなので、大変感謝しています。
この喜ばしい日ですが、直前に仕入金額の計上漏れという不祥事を起こしてしまいました。仕入先の方をはじめ、株主の方等、多くの方にご迷惑をおかけしましたことを深くお詫び申し上げます。

今回の計上漏れに関しては調査も終わり、当面必要な対策も施したが、今回の件で僕らが行っているEコマースに関するチャレンジが改めて浮き彫りになった。ケンコーコムは6万8千点を超える商品を取り扱い、いわゆるロングテール型のビジネスを行っている。ケンコーコムのサイトを立ち上げて6年になるが、この間、一貫して品揃えは当社の売上拡大に関する大きなドライバーとなっていた。取扱商品1商品あたりの平均月商は立ち上げ時から今に至るまでコンスタントに1万円前後を保ってきた。
一方で一般的なドラッグストアの取扱点数の10倍を超える商品を扱うことによりオペレーション上の無理が様々なところで現れてしまう。会社設立当初から継続的にIT投資を行い、情報技術によりこの無理を克服してきたが、今回は一部システムの精度が若干低い部分があり、それが問題を引き起こした格好だ。仕入先も2千社近くになり、月商も5億円を超えると、ちょっとした精度不足が大きな悪影響を及ぼしてしまう。精度が低いと、今回のような計上漏れのように、仕入先やお客様に迷惑をかけてしまう。その上、生産性の低下等、潜在的に非常に大きなコスト要因となってしまう。
ケンコーコムのビジネスもようやく当面のマイルストーンと位置づける売上100億円が見えてきた。今回の不祥事はある意味、そこに到るまでに再整備しなければならない課題を改めて提起してくれたのだと思う。ロングテールのEコマースを確立するには、避けては通れないチャレンジだ。