2009/07/01

改正薬事法1カ月

改正薬事法が施行されて1カ月経った。
表面上は施行前とほとんど変わらないが、よく見るとさまざまなひずみが出ている。

まず、店頭。
たしかに、陳列に関しては変わった店が多い。
医薬品分類ごとに棚が分けられ、一類医薬品は空箱を置くように変更された店も多い。
一方で、情報提供に関して言えば、予想されていたことではあるが、施行前とはほとんど変わらない状態が全国的に蔓延している。全国からの投書を見ればわかるとおり、一類医薬品も薬剤師以外が販売しているし、二類医薬品はほとんど説明されていない。
http://www.online-drug.jp/hotline/form.html

二類医薬品の場合でも、お客さまが説明を求める、求めないにかかわらず、購入の際には専門家が情報提供を始めるというのが情報提供の「努力義務」の意味だと、検討会では言われたが、そういう現場がどれだけ存在しているのだろうか?

一方で通信販売。
正直言って、大きな打撃を受けている。ケンコーコムでも二類医薬品は継続購入が確認された方以外、販売をお断りするようにしたので、医薬品の売上は激減した。年間で5億円近い販売が失われることになる。毎日、数十人のお客さまに、前回購入が確認できないため販売をお断りするという作業は、お客さまに対して大変失礼なことであるが、断腸の思いでそのようなご連絡をさせていただいている。
まじめにやればやるほど、お客さまの不満が高まり、販売機会を逃すというのは実に理不尽なことである。

ただし、今回の改正薬事法ではいくつもの抜け穴があるので、それを上手に活用している事業者も多い。

例えば再春館。
http://www.saishunkan.co.jp/tsusanto/7_sample/7_sample.html

痛散湯という指定二類医薬品の無料サンプルを配っている。無料サンプルの配布先は当然新規のお客さまである。これは再春館が施行直前の5月22日に特例販売業という特殊な許可を取ったため、今回の規制対象外となったためである。特例販売業というのは僻地のよろず屋等、薬剤師の確保が難しいところで、やむを得ず薬剤師無しでの販売を認めるという許可である。このような許可を取ることで、原則的に禁止された医薬品の通信販売が専門家無しで自由にできるというのはおかしな話であるが、厚生労働省的には問題ないと言っている。

また、医薬品の買い物代行業、というビジネスも登場した。
http://www.hal-pharmacy.com/daikou/index.html

お客さまから代金を預かり、買い物代行業者が薬局から対面で医薬品を購入し、購入した医薬品をお客さまに郵送する。たしかに、今回の改正薬事法を見ると、このビジネスも成り立つかもしれない。

改正薬事法は「正直者が馬鹿を見る」法令であるとしか言いようがない。そもそも、「対面の原則」という、完全に守ることが非常に困難な原則を根幹に据えているため、抜け穴だらけになってしまったのが現実だ。一刻も早く、「正直者が馬鹿を見る」状態を解消しないと、矛盾は広がる一方だろう。

2009/06/01

改正薬事法施行

非常に残念だが、改正薬事法が議論不十分なまま見切り発車されてしまった。
4年にわたり、今回の改正薬事法に伴うネット販売、通信販売に対する省令の問題点を指摘し続けてきたが、それが容れられることなく、施行されてしまった。

なぜここまで混迷してしまったかを考えると、厚生労働省の考えるロジックに致命的な欠陥があるからだ。

・医薬品は副作用リスクがあるので、安全が最も重要
・安全な流通のためには、対面販売でなければならない
・対面販売でないネット販売、通信販売は安全ではないから禁止しよう

このようなロジックである。

最初の、安全が最も重要ということに対しては、全く異論がない。
しかし次の、「安全な流通のためには、対面販売でなければならない」というのは勝手な思いこみである。はっきり言うと、対面販売でも安全ではない。今日から始まる「登録販売者による対面販売」の行く末をしっかり見て欲しい。専門教育を受けていない登録販売者による、購入者(使用者ではない)に対する対面販売を、どうして安全だと言い切れるだろうか?単にレジ打ちのバイトに登録販売者という資格を持たせるだけである。一つ一つの医薬品に対して、禁忌事項をしっかりと確認し、顔色や表情をみながら適切なアドバイスをできるのだろうか?「ポイントカード持ってますか?」と登録販売者が聞きながら、レジをたたくだけだったら、対面販売の意味は全くない。
さらに、対面販売でなくても、対面販売と同等の安全性を確保できるかどうかの検証がなされていない。僕たちネット販売推進派はネット販売でも十分に安全性を確保できると主張したが、厚生労働省およびネット販売反対派の人たちは最後まで対面販売神話を頑なに守り続けてしまった。
「安全な流通のためには、対面販売でなければならない」ということが論理破綻していることを施行前に認めて欲しかった。認めるには十分な時間と機会があった。にもかかわらず、最後まで誤りを認めなくて、取り繕うことに終始した。その結果が、施行の前営業日、5月29日に公布された経過措置である。離島在住者と継続購入者だけにしか2類の購入を認めない。しかも期間は2年間。このようなつぎはぎだらけの策が施行直前に出てきてしまった。
今回の混乱を解消するのは実は簡単だ。「安全な流通のためには、対面販売でなければならない」というロジックの間違いを厚生労働省がすなおに認め、そこに立ち戻って法令を見直すことだ。
厚生労働省が頑なに誤りを認めないために、本日をもって医薬品を購入できなくなった消費者が多数発生し、医薬品を販売できなくなった薬局・店舗も多数発生していることを、厚生労働省はしっかりと直視して欲しい。

2009/05/26

舛添大臣、国民的議論とは何なんですか?

先週末まで開かれた「医薬品新販売制度の円滑施行に関する検討会」は、もともと舛添大臣の「両派の意見をよく聴き、国民的議論にしたい。」という発言から開かれたものだ。
その後の経緯を見ると、7回にわたる検討会が開かれたが、両派の意見が平行線をたどってしまった。5回目の検討会では、検討会の意向を無視したまま、突然、厚生労働省から省令案なるものが飛び出した。そして、その省令案に対してパブコメが募集された。その募集も通常は30日のところ、わずか7日間しか集めなかった。それにも関わらず、実に9,824件ものパブコメが集まった。(PDF)
その結果は、今回の経過措置に賛成するのはわずか42件(0.5%)、郵便等販売の規制をするべきでないという意見が85%にのぼる8,333件となった。
国民の意思は舛添大臣にもしっかりと伝わったはずである。

しかし、報道を見ると、省令案のままの省令が公布されるというリーク記事が次々と出ている。省令は、厚生労働省の現場が素案を作っても、最後に舛添大臣の印鑑が押されなければ公布はされない。まさか、0.5%の賛成しかない経過措置の省令に、舛添大臣が印鑑を押すのだろうか?8,333件の郵便等販売の規制をするべきでないという意見を一顧だにしないのだろうか?
国民の意見に耳を傾け、リーダーシップを発揮すれば、何をすべきかは自明である。

舛添大臣に聞きたい。あなたにとって、国民的議論とは何なんですか?

2009/05/25

賽は投げられた

「ここを渡れば人間世界の悲惨、渡らなければわが破滅。(兵士たちに振り返って)進もう! 神々の待つところへ! 我々を侮辱した敵の待つところへ! 賽は投げられた!」(ユリウス・カエサル@ルビコン川)

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本日、医薬品ネット販売の件で、国を東京地方裁判所に提訴しました。
これに関して、以下のように考えています。

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「医薬品ネット販売の権利確認請求、違憲・違法省令無効確認・取消請求事件」訴訟提起にあたっての声明

ケンコーコム株式会社および有限会社ウェルネットは、本年2月6日に公布された、医薬品のインターネットを含む郵便等販売を、第3類を除き禁止する改正薬事法施行規則(厚生労働省令)について、国を相手取り、本日、5月25日午前、東京地方裁判所に提訴いたしました。
6月1日の同省令施行後も、我々は3類以外の医薬品もネットで販売できるという権利の確認とともに、この省令が、憲法に違反し、法律にも違反していることを前提にその無効を確認し、またはその取り消しを求めるものであります。

我々は薬事法に基づき、店舗所在地の知事より販売許可をいただき、薬剤師が医薬品を管理し、販売している薬店です。店舗も構えておりますが、インターネット上でも従来、安全な医薬品販売を行っています。
ネット販売にこだわっていますのは、昨今のドラッグストアに見られる医薬品の販売の仕方がとうてい安全とは言えないと感じているからです。医薬品を棚に陳列するだけで、お客さまにセルフで取りに行かせ、パッケージを見るだけで買い物かごに入れ、アルバイトの店員がレジを打ち、代金をいただいて、袋につめてお渡しする。こんな売り方が「対面」であるというだけで安全でしょうか?
むしろ我々が行うネット販売のほうがはるかに安全です。ウェブページ上では医薬品のパッケージに書かれている説明だけでなく、説明書に書かれている詳しい説明も読むことができます。薬を買おうとすると、必ず問診表がでてきて、そのお薬を買ってはいけないアレルギーがあるか、年齢制限に引っかからないかなどをチェックしなければ買えません。お薬に関してわからないことがあれば、電話やメールで問い合わせられます。必ず、薬剤師が懇切丁寧にお答えします。
お客さまはこのような医薬品ネット販売に安心して買い物にいらっしゃいます。特に、最近の新型インフルエンザ拡大の際には、医薬品ネット販売があるおかげで、感染の可能性が高い人混みに出向かずにすんだ、といったお声も多数いただいています。
よく、安全か利便かと言われますが、間違った問題の把握です。ネットは安全を確保した上で利便性を提供しています。

しかしながら、このたびの省令では、6月1日以降、ビタミン剤とか整腸薬のような一部のお薬を除いて、風邪薬とか、水虫の薬、胃腸薬、漢方薬、妊娠検査薬といった医薬品のネット販売を危険であるとして一律に禁止しました。薬事法に明記されていない「対面の原則」に基づいて、省令で禁止するというのです。そもそも、なぜ対面でなければ安全性を担保できないのか根拠は示されていません。また、ネット販売だから発生してしまった重大な副作用も1件も報告されていません。

今回、医薬品のネット販売に対する規制を強行するならば、6月1日から施行される改正薬事法令は二つの点で致命的な問題をかかえた欠陥法令であるというしかありません。

一つは憲法で保証された「営業の自由」を侵害していることです。我々は安全性の担保にこだわりを持って医薬品のネット販売を行ってきました。それを突然、厚生労働省がルールを変え、あなた達はネット販売できなくなりました、と言われるわけです。ケンコーコムは年間数億円の売上が吹っ飛んでしまいます。ウェルネットは商売を続けられなくなるかもしれません。
今回の改正薬事法ではコンビニでも医薬品が売れるようになります。ドラッグストアもアルバイトを登録販売者に仕立てることで、薬剤師不足を解消できます。そのような規制緩和が進む一方で、なぜネット販売だけが大きく割を食うような制度改正がなされるのでしょうか?既得権グループの利権を守るために、新興のネット企業は犠牲にならなくてはならないのでしょうか?
我々は安全なネット販売を行うための情報提供のルールを自主規制でつくっていますが、さらに、これを省令で定めて全ての業者に遵守させるように提案しています。ネット販売は、かくも安全なのに、問答無用で販売禁止と言われることには、全く納得ができません。明白に営業の自由を侵害して,違憲です。

二つ目は、厚生労働省が暴走して、ネット販売の規制を進めていることです。改正薬事法上では3類以外のネット販売を禁止することなど、全く記載されていません。単に情報提供方法を定めること(36条の6)となっているだけです。薬事法を施行するために、法の具体的な規定に則って省令を作るのであればわかります。しかし、今回は薬事法に書かれていない、「3類以外のネット販売禁止」という省令を厚生労働省が独断で作ってしまったのです。法律に書かれていない重大なルールを厚生労働省が勝手に作る。こんな官僚の横暴がまかり通ったら、法治国家とは言えません。
しかも、このような暴走を防ぐためのパブリックコメントをも厚生労働省は無視しました。今回の省令に対しては異例の2,353件というパブコメが出されました。そのうち、実に97%にあたる2,303件が省令に反対であるという結果でした。これだけの民意があるにも関わらず、何ら手を加えないまま省令公布を強行しました。法律を無視して省令を作り、それをパブコメで反対されても、強行する。こんな暴挙がまかり通ったら、民主主義とは言えません。厚生労働省は裸の王様ですが、「王様は裸だ」と指摘されてもなお、自分が裸だと気づきません。

今回の理不尽な省令が公布、施行されるのを食い止めるために、我々は取りうる手段を尽くしました。2005年より厚生労働省に働きかけを行い、ネット販売の安全策も示してきました。この省令づくりの検討会へ参加させてもらえるよう求めましたが、門前払いされました。省令が公布された後に、舛添大臣の肝いりで始まった「医薬品新販売制度の円滑施行に関する検討会」においてはようやく委員としての参加が認められ、省令の再改正に向けて、忌憚なく意見を述べさせていただきました。しかし、検討会での議論は平行線に終わり、報告書すら出せない状況で、5月22日に第7回をもって終了しました。
一方で、検討会に承認されない経過措置の省令案が5月11日に発表されました。その案も「2年間の経過措置で、離島居住者および継続購入者に限って2類の販売を認める」という、とても承服しがたいものでした。この経過措置に対するパブリックコメントは、わずか1週間の募集でしたが、9,824件もの意見が寄せられ、経過措置への賛成は42件、わずか0.5%という悲惨きわまるものでした。一方で、85%にあたる8,333件もの意見が「郵便等販売の規制をするべきでない」というもので、3類以外の医薬品ネット販売を禁止する省令に対して、国民の怒りは一層高まっています。このような状況であっても、報道によれば、厚生労働省は経過措置を省令案通りに近々公布する見通しです。

このように、憲法に二重の意味で違反し、国民から全く支持されない省令ですが、6月1日の施行まであと1週間となってしまいました。検討会も終了し、パブリックコメントも終わり、我々がこの省令の施行を食い止める手段は、唯一、行政訴訟を起こすだけしか残っていません。司法の場に出ずとも、しっかり議論すれば行政は理不尽な結論を出さないはずだと信じて、今まで4年間、厚生労働省と折衝してきました。日本という国の政治・行政の良心を信じていただけに、大変残念です。

行政の暴走を、法の番人である司法に食い止めていただき、日本国憲法の精神が守られ、消費者の利益のためにも、より安全で便利な医薬品ネット販売が継続できることを心より願います。

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2009/05/23

検討会終了

2月から始まった検討会が、第7回をもって終了した。
最後の最後まで、厚労省はやってくれた。先日出されたヘンテコな省令案、7日間という異例の短期間の募集期間にもかかわらず、実に9824件という異例に多いパブコメが出された。パブコメを投稿いただいた方、どうもありがとうございました。
9824件の意見のうち、今回の省令案に賛成は、42件。わずか0.5%しか賛成していない。また、検討会メンバーも全員そろって今回の省令案には賛成できないとなった。今回の検討会では、議論が最後まで平行線をたどり、隔たりが大きすぎることから報告書すらまとまらなかったが、厚生労働省の出した省令案に賛成しないということだけは満場一致したのは皮肉なことだ。
検討会は、今回の厚労省の出した省令案には全く関与していない、ということでコンセンサスが得られた。
それでも、厚労省は省令案どおり省令を決行するだろう。彼らの暴走を誰が止めることができるのか?有識者が集まっていると言われている検討会の意向も聞かず、1万件近いパブコメのうち、99.5%が賛成していないという驚異的な事態にもたじろがず、我が道を突き進んでいる。

7回にわたってネット賛成派も反対派も熱弁をふるいまくった検討会だった。たぶん、行政で行われる検討会としては異例の盛り上がりだったと思う。三木谷さん、ありがとう。足高さん、増山さん、ありがとう。井村さん、おつかれさまでした。他の委員の方もおつかれさまでした。委員全員が意見に大きな隔たりがあるものの、純粋に議論を楽しんでいたと思う。
毎回、検討会のたびに全精力を傾けて討議に臨んだ。毎回が真剣だった。委員全員がそうだろう。にも関わらず、検討会の終了時に、誰からも拍手ひとつ出なかった。あれだけ議論を楽しんだし、座長も困難な中で何とか議事を切り回したのだから、盛大に拍手をしたいと通常は思うところだが、厚労省の役人の顔を見ると、そういう気持ちは全く起こらなかった。
厚労省がどういうところか、身をもって知ることができたのが、今回最大の収穫だ。

2009/05/18

パブコメ提出

ケンコーコムとしてのパブコメを提出した。
僕個人としてのパブコメも別に提出したが、今回の省令再改正案に対して、総合的な意見はこのパブコメに集約されている。
1週間というパブコメ募集期間はあまりに短すぎる。

しかしながら、この短期間の中で、数多くのパブコメが提出されたようだ。お忙しい中、パブコメを提出していただいた方、どうもありがとうございました。

締切期限の18日24時までまだ時間がある。まだ提出されてない方、ぜひパブコメ提出をお願いします。

以下のバナーにパブコメへのリンクもあります。



ケンコーコムから提出したパブコメ
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○件名:薬事法施行規則等の一部を改正する省令の一部を改正する省令案について
○意見:
[該当箇所] 
(1)離島居住者に対する経過措置
  ○ 郵便等販売の方法等
  ○ 一般用医薬品に係る情報提供の方法等
(2)継続使用者に対する経過措置
  ○ 郵便等販売の方法等

[意見内容]
経過措置は講ずるべきだが、省令案の内容には以下のとおり反対である。
(1)本経過措置の対象となる消費者を離島居住者および継続使用者に限定すべきではない。
(2)2年の年限を区切った経過措置とすべきではない。
(3)インターネット販売を含む郵便等販売のありかたに関する審議会の設置・法令化について、この省令に盛り込むべきである。

[理由]
(1)本経過措置の対象となる消費者を離島居住者および同一医薬品の継続使用者に限定すべきではないことについて
 インターネットを利用して医薬品を購入する消費者は、山間部などのへき地、田舎にお住まいの方、視覚・聴覚・身体にハンディキャップをお持ちの方、対人恐怖症・男性恐怖症などの方、近くの薬局・店舗で取り扱われていない特定の医薬品を必要とする方、都心に住んでいても子育てや介護に追われる方、一人暮らしで仕事が忙しい方、またこれらの事情を複数もっている方など様々な方がいる。また、現在は近隣の薬局・店舗で医薬品を購入できているが、体調の変化や周囲の環境の変化などによって、今後、インターネットによって医薬品を購入する必要が生ずる消費者はむしろ増える一方である。
 本経過措置の対象となる消費者を離島居住者および同一医薬品の継続使用者に限定すれば、この条件を満たさない多くの消費者は、今後自分に合った医薬品を入手できず、健康維持に大きく影響することになり、かえって不平等な措置となるのではないか。
 本経過措置においては、(1)離島居住者に対する経過措置と(2)継続使用者に対する経過措置を分けて定める必要はなく、専門家による電話その他の方法による情報提供と相談対応を前提として、平等に全ての消費者を対象とする郵便等販売の経過措置とすべきである。

(2)2年の年限を区切った経過措置とすべきではない。
 2年の年限を区切るのみでは2年後に再び、郵便等販売を通じて医薬品を購入する消費者が、一般用医薬品を入手できなくなったり、郵便等販売を行う薬局・店舗が経営上の窮地に追い込まれたりするおそれが高い。
 よってこの経過措置は、後述のような「インターネット販売を含む郵便等販売において、適切な情報提供等がなされる実効性のある制度が構築されるまで当面の間」とすべきである。

(3)インターネット販売を含む郵便等販売のありかたに関する審議会の設置・法令化について、この省令に盛り込んでいただきたい。
 当社は、服薬説明機能をはじめとする安全確保のための措置を継続的に拡充しながら、一般用医薬品を販売しており、今日までに、インターネット販売に起因する健康被害、副作用の報告を受けていない。また日本全体でみても、インターネット販売に直接起因して発生した一般用医薬品の副作用は把握されていない。このような中で、一般用医薬品(第3類医薬品を除く)のインターネット販売が一律に禁止されることを前提とした措置に何ら合理性はないと考える。
 インターネット販売を含む郵便等販売においても、適切な情報提供等がなされる実効性のある制度を構築するため、審議会の設置や制度の法令化についてもこの省令に盛り込むべきである。
以上

2009/05/14

パブコメのお願い

5月11日に第6回の検討会が開かれた。
その際に、厚生労働省から省令の再改正案が提出された。

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6月1日以降に第2類医薬品をネットで購入できるのは、以下の二つの条件のいずれかを満たす人だけに限定する。
・離島にお住まいの方(北海道、本州、四国、九州、沖縄本島以外にお住まいの方)
・5月31日以前に医薬品を購入された方が、同一店舗で同一医薬品を継続購入される場合

これらの条件は2年間の期間限定で、2年後にはこれらの方も第2類医薬品のネットでの購入を禁止する。
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全然話にならない。2類の販売が一部でも認められたことは多少の評価ができるが、ネットで購入できるのは離島か継続購入者のみ。冗談としか思えない。

この省令案に対するパブコメが開始されたが、その期間はたった1週間のみ。5月18日が締切りだ。通常はパブコメの募集期間は30日以上が必要だ。施行日が近いからという理由だろうけど、1週間ということはないでしょう。。。

このヘンテコな省令案を変えられるとすると、パブコメの力を信じるしかない。このブログをご覧になった方。ぜひとも、この省令案に対する想いをパブコメにこめてください。

以下のバナーに今回の省令案の詳細、およびパブコメのやり方を記載しています。
ぜひ、よろしくお願いします。

2009/05/04

第5回検討会議事録CNET記事

先日の医薬品新販売制度の円滑施行に関する検討会 第5回の議事録がCNETに掲載された。

http://japan.cnet.com/sp/drag/story/0,3800097284,20392676,00.htm

CNETの記事にもあるとおり、土壇場で厚生労働省がどんでん返しを行った。
改めて、この記事を読み返してみると、検討会がここまで混乱した大きな原因の仮説が出てきた。

厚生労働省の現場事務局(総務課)と舛添大臣が十分に連携を取れていないのではないかということだ。今回、第5回の検討会には舛添大臣は出席されなかった。しかしながら、各委員からさまざまな意見が出され、着地点に向けて大きく前進していた。今まで5回の検討会の意見を踏まえて、結論は厚生労働省に委ねるとされた。今回の検討会は舛添大臣の意向で開催された。その検討会の以降を踏まえた決断は当然、舛添大臣によってなされるはずである。にもかかわらず、検討会を締める段階になって事務局から省令再改正案が出されるタイミング、およびその骨子が指し示されたのは、事務局が相当お人よしなのか、大臣の意向を無視して暴走していることが赤裸々になったか、どちらかであろう。
舛添大臣の決断を期待している。

2009/04/29

馬鹿にするにも程がある

ここのところ、医薬品ネット販売の件は検討会で話すことに集中しようかと思い、ブログでの更新は控えていた。
昨日、第5回の検討会が開かれたが、最後に大どんでん返しがあった。
http://journal.mycom.co.jp/articles/2009/04/28/medicinesell/

一通りの論点に関する議論が一段落した後、いくつかの総括的な話が始まった。僕は、とにかくあと1カ月しか残っていないので、通信販売の継続ができなくなることによる混乱が発生することを何とかして避けて欲しい、2類だけでも暫定的に継続させて欲しいというお願いをした。
最後に井村座長が、今回は主張がいくつかの点で平行線に終わったので、報告書ではなく、議論の内容を行政に報告し、後は行政に委ねるとした。ここまでは、まだわかる。

最後の最後に厚生労働省から今後の進め方が提案された。
・省令案を考えているのでそれを近日中に提出する。
・施行まで時間がないので、早速その省令案に対してパブコメを求める
・次回の検討会は5月中旬に開く。その際に省令案に対して議論して欲しい

とのこと。馬鹿にするにも程がある。今までの検討会は何のための検討会だったのだろうか?検討会とは別に、厚生労働省が新たな省令案を考えている。その省令案を検討会に提示もせずに、パブコメにかけるという。有識者として呼んでいる検討会にまず諮るのが当然の筋だろう。厚生労働省の独善的な裁量行政、これに極まれりの象徴だ。

そこで三木谷さんが激怒し、厚生労働省からしぶしぶ省令案の骨子が出された。暫定的に次の二つの場合は当面、ネット販売を認めるという。
・特定の漢方薬等、現在通信販売の利用者が6月1日以降に継続購入する場合
・離島等、入手しづらい環境にいる場合

これまた馬鹿にするにも程がある。何のためのリスク分類だったのだろうか?2類の中でも伝統薬や漢方薬はリスクが低いとでも言うのか?それなら最初から3類にすれば良いであろう。
そもそも、誰だけは買っても良い(逆に言うと、その人以外は買ってはいけない)という規制自体、全くナンセンスである。何度か検討会でも指摘しているが、医薬品販売の安全策を定め、それを満たさない販売方法を規制するというのがやるべきことである。
何らかの理由で、伝統薬と漢方薬は救う、ネットは潰すという既定路線があるということが改めて浮き彫りになった。その結論に持ち込むため、強引な決定プロセスを採り、安全をないがしろにした規制を提案しようとしている。
厚生労働省の事務方はその検討会を"お飾り"としてしか扱っていない。いくら検討会で真摯な議論が交わされても、こんな厚生労働省の下では、とんでもない裁量行政が繰り返され続けるだろう。この裁量行政とは徹底的に闘い抜くことを、改めて決意した。

2009/03/22

東京マラソン完走

今日は東京マラソンを完走した。僕にとっては初のマラソン。グロスで4時間47分ぐらい、ネットで4時間32分ぐらいだった。今日は二つの目標があった。一つ目は全部走りきること、二つ目はネットで4時間30分を切ること。一つ目はクリアしたが、二つ目は今一歩及ばず、次回に持ち越しとなった。
最近、僕の本業以外のもっぱらの関心事といえば、医薬品のネット販売と、東京マラソン。とりあえず、東京マラソンは一段落した。完走ができる自信はなかったが、沿道の方の声援のおかげで何とかゴールまで足が動いた。来年も、もしももう一度走れるのであれば、ぜひ挑戦したい。

2009/03/18

第2回厚労省検討会議事録

3月12日に行われた「第2 回 医薬品新販売制度の円滑施行に関する検討会」の傍聴メモ(速報)ができた。JODA事務局のTさん、どうもありがとう。レコーダー等を使わず、速記したものを書き起こしたので、。聞き取り違いや発言者の意図とのずれがあるおそれがあります。正式なものは、後日、厚生労働省のホームページ上にアップされます。

この検討会において、児玉委員(日本薬剤師会 会長)の発言の中で二つ引っかかるコメントがあった。
一つ目は、聞き間違いかもしれないので、正式な議事録が出てから改めて確認してみる。
二つ目は、以下の部分。

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(後藤)困っている方にお話を、次回ぜひ聞きたいと考えています。私が委員をやっていることで、私のところに事業者の方から声が入ってきています。漢方の相談薬局、まちかど薬局で、電話やFAX で注文を受けて郵送する薬局や薬店が、近所の高齢の患者さんやなじみのお客さんが遠方に引っ越しても電話で注文を受けて郵送するということをしていたけれども、それもだめになるのか?遠方の薬局から郵送できなくなるのかという声が数多く寄せられています。先日も、薬剤師会の副会長が、漢方では医薬品を売れるようにするために、初回は対面、それ以降は配送ができるようにするということを言われたという記事がありましたが、児玉委員に質問があります。この点についてどのようにお考えでしょうか?
(井村)えーと、だいぶ時間がすぎていますので。
(児玉)私はその質問を聞いて変な質問だなぁと思います。それはいろんなところでそういう議論をしているのは事実ですが、一部をとりたてて、そんなふうに言うのは。一般論であって結論を言っているわけではないですから。漢方薬による副作用は増えています。非常に増えていて、死亡するケースも出ている。現状はそうでも、省令が出たらきちっとやりましょうということでやっているわけですから。
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要するに、街角でたまに見かける、「漢方相談」の看板がある薬局でも、6月1日以降は漢方薬の郵送が禁止されるということだ。しかも「漢方薬で死亡するケースもある」ので、現状は、漢方薬の郵送が行われていても、6月1日以降は対面販売を守るために、やめさせます、ということだ。
先日のブログでも書いたが、このような街角の薬局の薬剤師先生こそが、患者さんにしっかりとした情報提供を行い、薬剤師先生と患者さんとの信頼の絆を結んでいる。ドラッグストアのレジ打ちの登録販売者とお客さま間の一瞬の対面と、街角の薬局の薬剤師先生と患者さん間のじっくりした電話相談との間で、どちらが安全に関する取り組みがしっかりなされているだろうか?僕は、街角の薬局の薬剤師先生だと断言できる。
にもかかわらず、日本薬剤師会の会長が、そのような薬剤師先生に「あなたは対面販売していないから、改正薬事法施行日の6月1日以降は路頭に迷っても構わない」と検討会の場で公然と言い放つ。
薬剤師会の会長が、このようなことを検討会で述べていることを、街角の薬局の薬剤師先生は知っているのだろうか?もしも知らされないまま、6月1日を迎え、生業を奪われてしまうとしたら、とんでもない悲劇である。

2009/03/17

薬害被害者の医薬品インターネット販売に反対する理由

ちょっと古くなるが、2月25日にFMラジオのJWAVEで医薬品のネット販売規制に関して、全国薬害被害者連絡協議会の間宮清さんへのインタビューが行われた。
彼らが医薬品のインターネット販売に反対している理由は何なのか、その判断は、このブログを読む方に委ねたい。

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2月25日(水) 医薬品のネット販売規制について

(アナウンサー)
6月に完全施行される、改正薬事法によって、これまでインターネットなど、通信販売で買うことができた市販薬の一部が、薬局などに行かなければ買うことができなくなる、として、その是非を問う声が高まっています。
どんな薬がネットなどで買えなくなるか、ということですが、例えば、ルル、パブロンといった風邪薬、そして、人前で買うのが躊躇われる、便秘薬や妊娠検査薬、さらに、漢方薬や虫刺されの薬など、市販薬の67パーセントを買うことができなくなるそうなんです。
果たしてネット販売に対する規制は必要なのか、ネットでの販売禁止を求めている、全国薬害被害者連絡協議会の間宮清さんに伺います。
間宮さん、こんばんは。

(間宮氏)
はい、こんばんは。

(アナウンサー)
よろしくお願いします。
まずは、間宮さんたちはネットでの販売を禁止する、つまり規制は必要、というお立場なんですが、その理由から教えていただけますでしょうか?

(間宮氏)
ええ、まあ、その反対する理由というのは、その、元にあるのは、今回のその法改正ですね。で、その法改正をするにあたって、やっぱり薬というのは対面販売で売るのが原則である、ということで、話し合われてきたわけですね。で、そのなかで4年間、話し合われてきて、で、その、対面販売で売るためのルール、というのをずっと決めてきたわけですね。で、それが、薬をリスク分類する、その、一類、二類、三類と分類したり、あとは陳列をどういう風にするかとか、あとは、売る人ですね、薬剤師以外に売れる人を増やそう、ということで登録販売者という制度を作ったわけですね。で、その人たちで、対面販売で安全を担保しながら売りましょう、ということで進めてきたので、そのなかでは、ネット販売というのは、対面販売のほうが安全を担保できるので、ネット販売はいけません、ということになったんですね。なので、今回の法改正では、そういったネット販売によるルールは検討していないので、ここでネット販売継続というのは問題なのではないか、ということで反対しているわけです。

(アナウンサー)
え?えーと、今回の改正薬事法によって、ネットで販売できなくなるわけですよね?

(間宮氏)
そうですね。

(アナウンサー)
でも、それは賛成である、という風にお考えなのでしょうか?

(間宮氏)
そうです。

(アナウンサー)
はい。それは、理由として、どのようなことが挙げられますか?

(間宮氏)
その理由、としては・・・。

(アナウンサー)
間宮さん達が、つまり、規制を必要としている、その理由を教えていただきたいんですけれども。

(間宮氏)
ですから、ネットで販売するためのルールづくり、というのができていないからです。

(アナウンサー)
あ、ネットで販売のルールづくりができていない、と。

(間宮氏)
そうですね。

(アナウンサー)
例えば、どんなルールが必要なんだけど、いまはない、ということなんでしょうか?

(間宮氏)
いま、ネット上というのはですね、いろんなその業者がいてですね、いい業者も悪い業者も一緒にこう、同じ場所でものを売っているわけですね。で、それが消費者からみれば、どの業者がいい業者で、どの業者が悪い業者なのか、さっぱりわからないんですね。で、それを規制するルールというのも実際ないですし、その規制当局の取り締まりというのがきちんとできていない、というのがありますね。ですんで、消費者保護、という観点からみると、やはりその、そういったルールづくりができて、取り締まりの体制がきちんとできなければ、やっぱり問題である、ということが言えると思います。

(アナウンサー)
はい。あの、ただ、かなり馴染みのある、例えば、ルルとかパブロンなどの風邪薬のようなものなども買えなくなってしまう、というのは、ちょっとどうなんだろう、という風に思ってしまうんですが、みんなが知っているような薬であっても・・・、ということなんでしょうかね?

(間宮氏)
あの、やっぱり、みんなが知っているような風邪薬であってもですね、やっぱり薬ですから、副作用ってのがあるんですね。で、やっぱり薬を飲むということについては、そのまあ、逆に、いままで飲んでいたと思うんですけれども、あの、やはり、あの、いろいろな副作用で、あのまあ薬疹ですね、アレルギーなんか持ってたりしますんで、そういうもので苦しんでいる人ってのは、実際、いるわけですね、ですから、そういったことを、まあ、重篤にならないような状態のときに、まあ、止める、という意味合いもあるんですね。

(アナウンサー)
たしかに説明を受けることは重要だと思いますけれども、まあ、薬局で買うときに、そのあたりをちゃんと説明してもらっているかというと、そうでもない気もするんですけどね・・・。

(間宮氏)
うーん、いままで、ですから、その、いままでが、やっぱり、良くなかったわけですね、売り方が。で、説明もきちんとできていない、その、まあ、もっといえば、アルバイトの店員の人がですね、白衣を着て、あの、ちょっと専門家のような格好をして、あの、対応していた、ということがありますんで、それを今度の薬事法改正で、きちっと、その、対応して売るようにしましょう、ということで決めた。

(アナウンサー)
そういった対面販売が徹底されると、例えば、薬疹もそうですし、そして、薬害もそうですけれども、そういった部分、防ぐことができる、と思いますでしょうか?

(間宮氏)
そうですね、まあ、薬疹を防ぐ、ということはできない、と思うんですね。これは、あの、薬疹というのはアレルギーで、いままで飲んでいた薬でも突然出る、という可能性はありますので、それは防ぐことはできないんですけれども、その重篤になる前にですね、例えば、スティーブンジョンソン症候群なんかはですね、目が充血したりとかね、そういうことが症状が出るわけですね。その段階で、その、えー、例えば、お医者さんに行ってくださいね、ということをお勧めすればですね、あまり重篤にならずに済む、ということがいえますね。で、まあ、そういったこともありますし、あとは、あの薬害についてはですね、これ、薬害っていうのは、もう、実際その、薬害がこれから市販薬で起きるかっていうと、なかなか考えにくいと思うんですけれども、薬害というよりは、やはり副作用被害というものを防ぐ、という意味ではその対面販売によって、まあ、いろんなその飲み合わせとかね、そういったことも説明して、副作用の被害っていうのを防ぐことはできると思うんですけれども。

(アナウンサー)
はい、たしかに、薬害については、その販売のしかた、というよりはメーカーのあり方、ということですから、ちょっと話が違うかもしれませんね、この場合は。

(間宮氏)
そうですね。

(アナウンサー)
で、あの一方では、規制すべきではない、という意見も、あの、ご存知のようにありまして、例えば、子育て中のお母さんや、運転のできない高齢者の方、また、障害を抱えていらっしゃる方、ネットで買えなくなることで、かなり困ってしまう方も、いらっしゃると思うんですけれども、いかがでしょうか?

(間宮氏)
あの、やはり、法改正というからには、そういったことで不利益を被るような人がいるんであれば、それはやっぱり対応を迅速にしなくちゃいけないと思います。で、ただですね、高齢者の方ですとか、障害をお持ちの方っていうのは、あの、薬に対するリスクが健常の人と比べると大きいんですよね。

(アナウンサー)
ああ、逆に説明が必要だと。

(間宮氏)
説明ですとか、まあ、服薬管理とかですね、ええ、薬剤、まあ、薬に関しては、専門家のアドバイスを受けながら、ええ、まあ、適切に使用する、というのが大事だと思いますね。ですから、まあ、やはり、かかりつけの薬剤師さんですとか、そういったものってのを、きちっとつくって、で、そういったリスクを、まあ、大きいリスクをお持ちの方については、まあ、ケアしていく、というのが大事だと思いますね。

(アナウンサー)
薬局がない村というのも37の都道府県にあるそうで、そういった方達は、ねえ、また、困っちゃう、と思うんですけれども・・・。

(間宮氏)
そうですよね、これも問題ですよね。薬局がない、というのは困りますし、ただまあ、薬局がない場合でも、その、特定販売業という形でですね、まあ、例えば、空港とかそういうとこでもありますけれども、薬はふつうのお店でも置けることは置けるんですね。

(アナウンサー)
はい・・・。

(間宮氏)
ですから、そういうところで対応するとかですね、あとは、他にも、違う形で、例えば配置薬ですとか、そういったことで対応していけないかなあ?と思いますけどね。

(アナウンサー)
ま、それから、伝統薬という風に言うんでしょうかね、そういう薬事法ができる前から販売してきた、というような方々にとっては、継続的にこういった伝統薬を使っていらっしゃる方もいらっしゃると思いますが・・・・

(間宮氏)
そうですね。

(アナウンサー)
その方達は、かなりこう、あの、通信販売が多いようなんですね。

(間宮氏)
うーん。

(アナウンサー)
それも全部規制の対象になっちゃうっていうのはね、また疑問も感じるんですけれども・・・。

(間宮氏)
そうですね、こちらのほうも悩ましい問題で、ただまあ、やっぱり、漢方薬も、その、“薬”ってついてますんで、その、副作用は出ますしね、昔からある伝統薬なんですけれども、昔はその薬しかなかったわけですけれども、いまってのは、その、いわゆる、その普通の薬ですね、漢方以外の薬と、その、一緒に使ったりする可能性がありますよね、そのとき、使い方によっては、その、副作用が出るっていう可能性もありますから、そういった面では、その、やっぱり、自己判断とかですね、その、継続的に使っているからいいんだ、という判断よりも、その、例えば、お医者さん、漢方医とかですね、そういった方のアドバイスを受けながら使用するってことが大事だと思いますし、あとはその、漢方薬を扱っている業者さんにとってはですね、逆にこれを契機にネットワークをこう構築してですね、全国的に、ええ、まあ、連携して、その・・・。

(アナウンサー)
窓口を増やす、ということでしょうか?

(間宮氏)
ええ、供給する形のほうがいいんじゃないかな、と思いますけどね。

(アナウンサー)
まあ、ただ、このように、いまになってですね、賛否両論、激論が戦わされている感じなんですけれども・・・。

(間宮氏)
ええ。

(アナウンサー)
あの6月に完全施行なわけですよね?

(間宮氏)
そうですね。

(アナウンサー)
これ、話し合いは、結局、いままで十分に行われていなかった、ということなのでしょうか?

(間宮氏)
まあ、あの四年かけてやってきましたから、その、そうなるってことはわかっていたと思うんですけれども、まあ少し、漢方薬の方、あのお、伝統薬を扱っていた方々は、まあ、「自分たちには関係ない」と思っていらっしゃったのかもしれませんし・・・、そのあたりってのは、ちょっと、うーん、判断しかねるところですけれどもね。

(アナウンサー)
でも、それぞれのみなさんのご主張というのが、最もな気がしてですね、あの、これはなんとか全部入れる形で、もう一度、考えていただけないかな、と思っちゃうんですけれどね。

(間宮氏)
うん、そうですね、もちろん、いい方法があればやってみたらいいと思うんですけれども、ただ、まあ、その、対面販売が原則である、ということは、もう決まったことなので・・・、それを、こう、まあ、違った形でやるにしても、やっぱりちょっと時間はかかってしまうんではないかな、と思いますけどね。どのような仕組みを作るにしてもね。

(アナウンサー)
はい、わかりました。間宮さん、どうも、いろいろお話、ありがとうございました。

(間宮氏)
はい、ありがとうございます。

(アナウンサー)
以上、Cutting Edgeでした。

2009/03/15

憲法違反の省令

先日、12日に第2回検討会が開かれた。
ニュースサイトを見ると、僕の発言では安全策を提示したことが取り上げられていることが多いが、安全策と同様か、ある意味それ以上に重要だと思っているのは、中央大学の阿部教授(行政法)からいただいた意見書である。(MSワード版はこちら
この意見書の要旨を掲載すると以下の通りである。

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一般用医薬品のネット販売禁止・対面販売の原則は、法律に何ら規定されず、薬事法36条の6は、情報提供等について定めることを省令に委任するだけであるから、省令でネット販売による1類、2類医薬品の一律禁止・対面販売の原則を規定するのは、法律の授権を欠き、違法・違憲である。
このことを仮に法律で規定したとしても、情報提供等の具体的義務付けという、より制限的でない規制手段があるのに、より厳しい規制手段を定めることになるから、過大な規制となり、薬事法大法廷判決の趣旨に照らし、憲法22条に違反して、違憲である。
検討会は、今の省令の取消しを求め、法36条の6の授権の範囲内である、情報提供等の義務付け手法の導入に向けて検討を開始すべきである。
これは憲法・行政法学の問題であるが、検討会ではこの視点の検討が不十分であったから、これまでのいきさつにとらわれずに、再検討すべきである。
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専門的な言葉も多いので、もう少し簡単にいうと、

阿部教授によれば、一般用医薬品のインターネット「販売そのもの」を禁止するような規制、しかも省令による規制は、法律的な見地からみても、行き過ぎた過度の規制であって、憲法に違反するものである。憲法に違反した状態を解消するためには、販売そのものの禁止ではなく、「インターネットで安全に販売するためになすべきこと」と「それを守らせるための規制」を定めなければならない、ということである。

ここで薬事法大法廷判決とあるが、昭和50年に出された薬局距離制限に関する規制の最高裁判決で、薬局距離制限を行おうとした厚生省が敗訴した行政訴訟だ。日本国憲法下で最高裁判所が言い渡した史上2例目の法令違憲判決であるということで、法律を学んだことのある人にはなじみのある有名な判決らしい。
この裁判においては、スーパーマーケットの中に薬局を開設しようとした原告に対して、議員立法で出された新たな薬事法で付け加えられた薬局距離制限規制(既に薬局のあるところの近隣に薬局を出すな)に基づき許可しなかったため、提訴されたとのこと。スーパーマーケットの乱売をターゲットにして、「安全」を錦の御旗に規制しようとしたらしい。こちらのブログに詳しく載っている。40年も前の話であるが、今回の医薬品インターネット販売禁止との類似点があまりに多いことに驚く。

今後、省令を改正しないまま改正薬事法施行の6月1日を迎えてしまうと、憲法に違反したままの改正薬事法が施行されてしまう。今回の意見書を受け取った検討会は、早急に憲法違反の状態を解消する責務がある。

2009/03/09

相談薬局、存亡の危機

現在公布されている改正薬事法に関する省令で大きな打撃を受けるのは、医薬品のネット販売、伝統薬だけではない。全国で千件以上はあると思われる街角の相談薬局、特に漢方の相談薬局にとっては存亡の危機となる。
今回の省令では「対面」以外の医薬品販売を認めていない。実は電話やファックス、インターネットを使って対面以外の医薬品販売を行っているのは街角の相談薬局の薬剤師先生である。20年ほど前までは薬屋さんといえば街角の相談薬局だった。ところが最近20年ほどの間にドラッグストアが急速に伸びて、多くの街角の相談薬局が廃業していった。でも、一部の相談薬局は薬剤師先生の真摯な説明と、その先生を慕う患者さんの強い絆により何とか生き延びている。こういった相談薬局では、患者さんが高齢化し薬を受け取りにこれなくなったり、患者さんが遠方に引っ越しされたり、あるいはその評判を口コミで聞きつけた遠方の患者さんが飛び込みで相談したりといったことがあり、電話、ファックス、インターネットで相談を受けて、お薬を販売している。
今回の「対面」以外は一切認めない省令のもとでは、そのような販売も当然一律に禁止されてしまう。そうすると、ドラッグストアに浸食され、細々と営んでいる相談薬局の売り上げのうち、電話、ファックス、インターネットにより行われている数パーセントから多い場合には半分以上の売上が吹っ飛んでしまう。すでに赤字すれすれで経営していると思われる多くの相談薬局にとっては最後のKOパンチになる。
実際、薬剤師会の副会長も、そのような相談薬局を経営しているらしく、以下のようなコメントが報道されている。

---------------------以下、引用---------------------
RISFAX【2009年2月23日】

日薬・総会 執行部に痛烈批判、改正薬事法は「薬剤師の負けだ」

 21?22日の日本薬剤師会臨時総会では、改正薬事法に関して執行部への批判が相次いだ。なかでも今回の改正で、OTC薬の販売エリアをロープなどで「閉鎖」すれば、店舗そのものは閉店しなくても営業を続けられる点に「薬剤師にとってはある意味、負けなんじゃあないか」と問題視する意見が上がった。調剤を行う薬局では、薬剤師が不在であることはあり得ないことからの会員の指摘だが、石井甲一専務理事は「負けではなく、専門家がいる間、活躍することで専門家が(消費者に)認知される」と答え、理解を求めた。

 ただ、第1類OTC薬を扱う店舗販売業の管理者に、例外規定ながらも登録販売者で可能となった点に「例外でもズルズルいってしまうのは、負けなのではないか」とする批判は続いた。

 一方、自店で、漢方薬を電話による郵便等販売を実施している前田泰則副会長は、今後の対応を問われ「漢方の場合、初回は顔を見て対応するのが原則」と語り、「できれば初対面」は対面で販売すると説明した。ただ、「2回目は現実論からして電話対応」と吐露し、電話販売を続けることを示唆した。

 さらに、インターネット販売などの郵便等販売は、第3類に限定した厚労省方針を支持する日薬だが、会員“以外”のアウトサイダーへの啓発について生出泉太郎副会長は、「具体策は今のところない」とするにとどめた。
---------------------引用終わり---------------------

前田副会長も真摯な相談により、全国の患者さんから慕われる、立派な薬剤師先生だと思われるが、残念ながら現在の省令のままだと、このような先生こそが真っ先に営業停止、許可取消などの行政処分を受けることになる。

---------------------以下、引用---------------------
 改正薬事法が施行された後は販売監視体制も強めていく。販売制度に関する規定は、医薬品販売の許可の要件に含まれている。許可の取り消し、一定期間の営業停止など法に基づく行政処分を課していく。
厚生労働省 医薬食品局 総務課 厚生労働技官 関野 秀人 氏 談
---------------------引用終わり---------------------

日本薬剤師会は対面の原則に強くこだわっている。医薬品の情報提供をしっかりするための法改正であるにもかかわらず、対面の原則に固執することが医薬品の情報提供を長年にわたって誰よりもしっかりと行ってきた相談薬局の薬剤師先生の生業を奪うことになるのは大きな矛盾である。日本薬剤師会の児玉会長に対しては公開質問状を送った。