医薬品のネット販売における「対面の原則の担保」
結論から言うと、今回の報告書は医薬品のインターネット販売に関して十分な理解の元で練り上げられたとはとうてい言えないものだが、前回の厚生科学審議会医薬品販売制度改正検討部会報告書(平成17年12月15日)と較べると、若干の前進がある。
今回の報告書で、医薬品のインターネット販売に係わる部分を抜粋すると以下のようになる。
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対面販売の原則と情報通信技術を活用した情報提供の関係
医薬品の販売にあたって専門家が対面によって情報提供することが原則であることから、販売時の情報提供に情報通信技術を活用することについては慎重に検討すべきである。第一類医薬品については、書面を用いた販売時の情報提供が求められていることなどから、情報通信技術を活用した情報提供による販売は適当ではない。
薬局又は店舗における医薬品の通信販売
薬局又は店舗販売業の許可を受けているものが、当該薬局又は店舗に来訪していない購入者から医薬品の購入の申し込みを受け、当該薬局又は店舗から、購入された品目を配送する方法による販売(以下「通信販売」という。)を行うことについては、購入者の利便性、現状ある程度認めてきた経緯に鑑みると、その薬局又は店舗での販売の延長で販売時及び相談時の情報提供が行われるものであれば、一定の範囲の下で認めざるを得ない。
この場合、販売時や販売後の相談においても、相談があった場合の情報提供が専門家によって行われていることが購入者から確認できるような仕組みをもうけるとともに、相談の内容によって、薬局又は店舗で対面により相談に応じることが可能な体制を確保する必要がある。また、購入者に2.(4)?に掲げる情報の伝達を図るべきである。
これらの点を確認するため、通信販売を行う場合、薬局又は店舗販売業の許可を受けているものはあらかじめ通信販売を行うことを届け出ることが適当である。
また、取り扱う品目については、情報通信技術を活用する場合は、販売時に情報提供を対面で行うことが困難であることから、販売時の情報提供に関する規定がない第三類医薬品を販売することを認めることが適当である。販売時の情報提供を行うことが努力義務となっている第二類医薬品については、販売時の情報提供の方法について対面の原則が担保できない限り、販売することを認めることは適当ではない。
なお、本項目の検討に当たって、薬局又は販売業の許可を受けて通信販売を行う事業者の団体から、現状の通信販売の実態、自主的な取り組み等について意見聴取を行ったことを申し添える。
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ここで、言葉の定義をすると
第一類医薬品(ガスター10等、スイッチOTCのような効き目の強い医薬品)
第二類医薬品(風邪薬、漢方薬等、大半の医薬品)
第三類医薬品(ビタミン剤等効き目、リスクが軽微な医薬品)
要するに、第一類医薬品の販売は適当でないとされている。
第三類医薬品の販売に関しては認めている。
第二類医薬品は「販売時の情報提供の方法について対面の原則が担保できない限り、販売することを認めることは適当ではない。」とされている。対面の原則が担保できない限り認めないということは、対面の原則が担保できれば認められると読みとれる。
情報通信技術を活用すれば、安全・安心を十二分に担保できる。例えば、ケンコーコムで医薬品を買おうとする人は、お買い物ボタンを押すとこのようなアンケートに答えなければならない。そして、使用が適切でないと判断されれば、その医薬品を購入することができない。薬剤師に何らかの質問があれば、テレビ電話で相談することができる。購入後に、万一、商品の回収等が必要となっても、誰がどの商品を購入したかが把握されているため、迅速に情報提供や回収を行うことができる。
楽天の三木谷さんが、「インターネット販売は究極の対面販売だ」といっているが、まさにその通りだと思う。
第一類医薬品に関しても言いたいところはある。書面を用いた販売時の情報提供はむしろインターネット販売が得意とするところである。だが、第二類医薬品の枠組みが先決だ。
当面は、医薬品のインターネット販売に関しては「対面の原則の担保」が大きなキーワードとなる。この担保をしっかりと行う、枠組みを指し示し、遵守していくことが、医薬品のインターネット販売の安全・安心につながるし、そもそも消費者に求められているものである。急速に進化する情報通信技術を活用し、「対面の原則の担保」をよりたしかなものにしていくのが、医薬品のインターネット販売を切り開いている
僕たちの大きな責務である。

