2008/12/12

舛添大臣に要望書を提出

インターネット販売の継続をもとめる要望書を舛添大臣に手渡した。
http://mainichi.jp/select/biz/news/20081211k0000e040057000c.html

舛添大臣はやさしい方で、利用者がどのような生活を送っていて、ネットが奪われるとどのように困るかという声に熱心に耳を傾けていた。
10分強の短い面会時間だったが、その中で濃い意見交換ができた。舛添大臣がおっしゃったことをまとめると、毎日が書いているように、「「利便性の一方で、安全性をどう担保するかの問題もあり、広く国民で議論したいということだと思う。

「広く国民で議論したい」という言葉は舛添大臣の見識だと感じた。
今回の改正薬事法に携わった歴代の関係者も舛添大臣のような見識があればどんなに良かったかと思う。安全性はもちろん最重要である。一方で、インターネットは科学技術がつまっており、現在も人類はその恩恵を多大にうけているし、今後の生活をさらに豊かにしていくための非常に重要なインフラだ。
安全性を担保しながら、インターネットの恩恵をどう享受し、バランスを取るかという点は、広く国民で議論すべき事柄だと思う。

政府自体も電子政府を推進している。

電子政府 (でんしせいふ) は、主にコンピュータネットワークやデータベース技術を利用した政府を意味する。そのような技術の利用によって政府の改善、具体的には行政の効率化やより一層の民意の反映・説明責任の実行などを目指すプロジェクトを指す。(wikipedia)

政府が推進している電子政府ではインターネット技術が説明責任の実行に寄与するとしている。一方で厚生労働省の省令案では対面でなければ情報提供ができないとされている。

インターネットが生活にどのように役立ち、どのようなリスクがあるか、といった評価を下すに足るだけの議論を厚生労働省はしたのだろうか?
安全性とインターネット技術の恩恵を天秤に掛けるという重大な評価を、法律でなく、省令で下すことが果たして適切だろうか?

わずかな時間の面談だったが、そのとき与えられた短い言葉から、様々なイメージが広がった。

2008/12/09

登録販売者とチェーンドラッグストア

11月28日に日本薬剤師会をはじめ、9つの業界団体が「医薬品のインターネット販売は禁止すべき」との声明を出した。
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http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081128-00000013-cbn-soci

 共同声明を出したのは、日本薬剤師会、全国医薬品小売商業組合連合会、全国配置家庭薬協会、全日本薬種商協会、日本医薬品登録販売者協会、日本置き薬協会、日本チェーンドラッグストア協会、日本薬局協励会、日本薬業研修センターの9団体。
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このうち、日本医薬品登録販売者協会、日本薬業研修センターというのは、登録販売者という医薬品販売の新たな資格に関わる団体である。現在の薬事法では基本的に薬剤師でなければ医薬品を販売できないが、改正薬事法では一定の条件を満たし、試験に受かった人は薬剤師資格を持っていなくても登録販売者として第2類、第3類の医薬品販売を行うことができるようになる。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%99%BB%E9%8C%B2%E8%B2%A9%E5%A3%B2%E8%80%85

これら日本医薬品登録販売者協会日本薬業研修センターを調べてみると、これらの団体は虎ノ門にある雑居ビルの一室にある日本チェーンドラッグストア協会を間借りしていることがわかった。

これらの設立の経緯は以下のブログにも書かれている。
http://blog.yuukiyoshiharu.com/?day=20071012

このブログによると、マツキヨと日本チェーンドラッグストア協会が中心となり、医薬品業界のいくつかの団体が大同団結し、"全体最適と有機的部分最適"を図ったらしい。この設立パーティに業界の中心人物をはじめ、厚生労働省の担当課の課長や議員が集まった。

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挨拶や決意表明、スピーチをした人を列挙しよう。

1.日本薬業共同事務所代表 宗像守
2.日本薬業連絡協議会代表 松本南海雄
3.日本医薬品登録販売者協会会長 鎌田伊佐緒
4.日本薬業研修センター理事長 川島光太郎
5.日本薬業管理監督機構準備委員会代表 田中豊蔵
6.薬業薬大連絡会世話役 白幡晶
7.日本薬業専門学校連絡協議会 国際医療専門学区理事長 高村愼一
8.ドラッグストア流通記者会幹事 藤田道男
9.衆議院議員 木村義雄
10.参議院議員 自見庄三郎
11.厚生労働省医政局経済課課長 武田俊彦
12.厚生労働省医薬食品局総務課長 中澤一隆
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また、これらの団体以外に、以下の組織もできるらしい。

「日本薬業管理監督機構」
主に有識者や弁護士による第三者機関。日本医薬品登録販売者協会や日本薬業研修センター等を管理監督する組織とのこと。

「日本薬業政治連盟連絡協議会」
各業界が一致団結して支持政党や政治家を支援

http://www.otc-job.com/news/detail.php?eid=00043


登録販売者は初回合格者だけで4万人を越える新たな資格。今後、コンビニでの医薬品販売が始まると桁違いの資格者が生まれるだろう。この資格に対して研修し、年会費を徴収するだけでも相当な収入になる。相当な収入に対して経常的な支出は(雑居ビルの一角ということもあり)わずかなものだろうと推測される。

どのような有識者が管理監督し、どの政党や政治家を支援し、どのような"全体最適と有機的部分最適"を図っているのか、なかなか興味深いところである。

2008/12/02

なぜ、薬は対面販売されるのか?

「なぜ、薬は対面販売されるのか?ネットで安全は買えるのか」というフォーラムを傍聴した。
これは薬害被害者と消費者団体が中心となって企画されたものだった。傍聴して改めて感じたのは、不幸にして薬害に遭われた方とは、意見の相違よりも共通点が多く見いだされるということだ。

・医薬品の安全・安心を確保し、不幸な薬害を再び発生させないことが、何よりも大事
・医薬品のインターネット販売には規制が必要
・対面販売とネット販売の安全性の優劣を決めることがそもそもの目的ではない
・医薬品の適正な使用を消費者に啓蒙していかなければならない
・消費者とのしっかりしたコミュニケーションに基づく情報提供が不可欠

多くの点で同じ問題意識を持っているのに、今後、医薬品のインターネット販売をどのように展開すべきかという結論に今のところ齟齬が見られる原因は、フォーラムの最後に増山氏、望月氏が指摘したポイントに全てが集約されていると感じた。

「医薬品のインターネット販売に関しては、議論が十分ではなかった」

本日行われたような医薬品のインターネット販売・通信販売に関するディスカッションを、本日のメンバー、およびネット販売・通信販売の事業者、ネット販売・通信販売の消費者、学識経験者等を含めて、喧々諤々とするべきであった。また、その際には医薬品の個人輸入と医薬品のインターネット販売の違いを議論の中でしっかりと切り分けることのできる、公正な座長の下で行うべきだった。
これは対面の原則うんぬんを議論する前提として、不可欠な議論である。僕らもそれを強く望み、議論の場を設けるよう、幾度となく厚生労働省にお願いしたが、なしのつぶてだった。結局、厚生労働省の不作為により医薬品のインターネット販売に関する十分な議論をする貴重な機会は失われてしまった。審議会、検討部会ともに参加した望月氏、増山両氏が奇しくも声を揃えているこの点が現在の混乱の原因である。この厚生労働省の不作為により、何百万人もの消費者が購買の手段としてのインターネットを奪われかけている。