2006/01/19

医薬品のネット販売に関する要望

先ほど、「薬局・薬店による医薬品のネット販売に関する要望書」を厚生労働大臣宛に出してきました。
インターネット販売は対面販売と同等の安全性を確保できると信じています。ある面では、むしろ高い安全性を提供できる可能性もあります。
この件、後ほど改めて、個人の主張もアップします。

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薬局・薬店による医薬品のネット販売に関する要望書

近年の国民の健康に対する意識・関心が高まる中で、安全性の確保を前提としつつ購入者の利便性に配慮した医薬品の販売方法として、新たな情報通信技術であるインターネットを活用した医薬品販売に従事している我々薬局・薬店14社は、「インターネット販売のあり方を考える薬局・薬店の会」を組織しております。

このたび、厚生労働省から提出される予定の薬事法改正案の内容につきまして、薬局・薬店による医薬品の通信販売は一部の医薬品についてのみ限定的かつ条件付での販売のみを容認するなど、仮にネット販売を通信販売の一部であるとするならば、ネット販売に対して消極的とも受け取れる記述となっております。法案検討にあたっては、ネット販売は対面販売に準ずるものだという観点から検討していただきたく、要望書を提出する次第です。

今回提案される薬事法改正案のベースとなっている最終報告書の検討部会では、インターネット技術ならびにその活用事例に精通された方が不在のまま審議されたため、以下の点で記述が不十分だと考えられます。
・安全性・利便性の面における判断基準に偏りがある
・生活インフラのひとつとして社会に浸透しているインターネットに関する配慮が欠けている
・既存利用者の利便性ならびにその利用状況の実態を把握しておらず生活者の視点に欠ける

我々は、これまでインターネットを活用した医薬品販売を行い、購入者の安全性確保と利便性向上に取り組んできた実績と経験に基づき、下記のとおりネット販売は対面販売に準ずるものであり、むしろ積極的に容認すべきものであると考えております。貴省ならびに政府等関係各機関においては、インターネット等の情報通信技術の発展・普及を踏まえ、薬局・薬店による医薬品のネット販売を容認するよう検討して頂きたく、ここに強く要望いたします。


1) 安全性の確保策
上述の検討部会による報告書では、医薬品は対面販売を原則としリスクの程度に応じた情報提供及び相談応需が必要だと述べられていますが、我々としても安全性の確保を最優先すべきと認識しています。ネット販売は、物理的にこそ対面ではありませんが、対面販売の趣旨に則り、対面販売と同等の安全性確保策をシステム的に実装することが必要であり、実際にそうすることが可能だと考えています。具体的には、個々の医薬品の購入画面にて、店頭では表示し得ないような医薬品の詳細な情報を表示することができます。加えて、購入希望者個々の状況に関する確認画面を設けることで、当該医薬品の使用の適否をアドバイスしたり、特に注意を要する事項を表示したりする等、対面販売の趣旨にそった情報提供ならびに相談応需が可能と考えます。また、ネット販売では商品配送のために購入者の住所、氏名、電話番号等を薬局・薬店に届け出て頂き、店舗が購入者の購買履歴を管理することが可能です。これは調剤薬局の薬歴簿に相当するもので、より高い安全性確保に役立ちます。我々はネットを活用しつつ、対面販売の趣旨にそった販売を行うよう努力を重ねて参ります。

2) 購入者の利便性
インターネット販売では1年365日24時間、購入者の都合に応じて医薬品を購入することができます。また、以下に列挙するような様々な事情にて求める医薬品を薬局・薬店の店頭で購入することが難しい方々のニーズにも対応し、安心して医薬品をご購入して頂くことが可能です。
・ お年寄り、もしくは家族に乳幼児や要介護者がいる世帯などで外出を控えたい方
・ ご自身が障害や疾病をお持ちなどで外出が容易ではない方
・ 様々な事情で営業時間内に薬局・薬店を訪ねることが難しい方
・ 求める医薬品を取り扱う薬局・薬店を近隣で見つけられない方
・ 過疎地等、近隣に薬局・薬店がないあるいは少なく、商品の品揃えが乏しい地域にお住まいの方
・ 伝統薬など限られた地域でのみ流通されている医薬品を他の地域でお求めの方

3) 既存の薬局・薬店との関係
ネットを活用した販売は店頭販売の対立概念として捉えられがちですが、実際には補完関係にあり、既存店舗を補完・強化するツールであると考えております。具体的には、薬剤師一個人が運営する零細経営の薬局・薬店であっても、生活者との接点に立ち医薬品販売の現場に精通した薬剤師自身の知識、経験、専門知識や独自性を活かした店舗をインターネット上に出店することで、局所的な地域特性に捉われることなく日本全国を商圏とする店舗営業が可能となります。また、購入者の立場としても、購入者が居住する地域の薬局・薬店に限定されることなく、購入者自身に適した情報提供や相談応需を行う薬局・薬店を広く全国から選択することが可能となります。これにより、むしろ公平公正な市場を形成することが可能となり、最終的には購入者である国民全体の便益の向上に資することとなると考えます。さらには、こうした市場環境の形成こそが国民自身による健康管理(セルフメディケーション)の促進につながると期待しております。
4) 自主規制等業界秩序維持のための取り組み
我々は、ネット販売を行う店舗が一般販売業の許可を有する正規の薬局・薬店である旨を保証する認証機構の設立を検討しております。これにより、インターネット販売を行う薬局・薬店を一元的に管理する枠組みが整い、インターネット上の医薬品販売状況の適切な監視・管理を図ることで秩序が維持できるものと考えます。また、リスクの高い医薬品の販売に関して自主規制を行うことも可能となります。同時に、個人輸入等医薬品の氾濫を助長するようなホームページとの相違を国民に対して示すことも容易となり、購入者への啓発の一助となると考えております。

5) 事業者ならびに利用者の実態と意見の把握
検討部会の審議会では、ネット販売を行う事業者ならびにその利用者の実態を把握しないままに審議が進められており、公平性や生活者の視点に欠けています。医薬品のネット販売を行う薬局・薬店ならびにその利用者の実態を把握しヒアリングを実施するなど、広く意見を収集した上で審議を行い、公平・公正な行政を行うべきであると考えます。