2005/08/26

ヤフーがロボット検索全面採用

ヤフーがロボット検索の結果表示を10月頃からデフォルト表示にすることになった。

これは些細なことであるが、日本のインターネットにおいて、非常に大きな方向転換が行われることになる。

検索エンジンには大きく分けて2種類ある。サイトを人手で登録していくディレクトリー型と、コンピュータシステム(ロボット)がページをたどっていき、ページを自動的に登録していくロボット型だ。Yahoo!はインターネットの黎明期に立ち上がり、当初からYahoo!カテゴリというディレクトリー型のエンジンを充実させてきた。
一方、ウェブ全体のページ数が急速に増え、かつコンピュータの処理性能も格段に進歩したため、特に2000年以降はGoogleをはじめとするロボット型エンジンが顕著にシェアを伸ばしてきた。Googleの勃興に伴い、Yahoo!もYST(Yahoo! Search Technology)というロボット型エンジンを開発し、ロボット型の検索技術も向上してきた。
Yahoo!Japanでは今のところ従来からの看板であるYahoo!カテゴリを検索結果として、真っ先に表示しているが、10月頃からはロボット型エンジンのYSTの検索結果を真っ先に表示することになる。

日本では検索エンジンとしてYahoo!を使うユーザが50%以上を占める。しかも大半のユーザ(8割以上)は検索結果の1ページ目だけしか見ない。
今回、Yahoo!Japanの検索結果が切り替えられると、日本のインターネットユーザの半分以上が目にする検索結果がディレクトリー型からロボット型に変わることを意味する。

ディレクトリー型ではサイト単位で検索結果が表示される。ロボット型ではページ単位で検索結果が表示される。サイトとページというのは混乱されることが多いが、1つのサイトは複数のページで構成されている。1つのサイトで1ページしか持っていないものもあれば、1つのサイトで、数百万ページを持っているものもある。従来のディレクトリー型の検索結果では、1ページしか持っていないサイトも、数百万ページを持っているサイトも、検索結果を表示される機会としてはほぼ平等だった。しかし、これからロボット型の検索結果がデフォルト表示されるようになると、検索結果を表示される機会はサイトではなく、ページ単位で公平に表示機会が与えられる。

この変更がどのようなインパクトを持つか、今後見極めていきたい。

2005/08/25

東証アカデミー

東証アカデミーで学生がケンコーコムの研究発表をしてくれた。非常に短い期間であったが、ケンコーコムの課題や彼らから見た処方箋をいくつか示してくれた。今回のコースは学生にも証券の知識を広めようということで開催した初の講座だということだが、こういった新たな取り組みに積極的に参加する意識は重要だと思う。未開の講座に第一号として参加するのはリスクがあるが、そのような講座には多少のリスクがあっても積極的に取り組んでみようというメンバーが集まっている。そういった人たちが集まることで、お互いに刺激しあうことができる。今回の講座も、そのような学生が集まったおかげで、非常に充実したものとなった。学生のうちからこのような情報に触れていると、自然と視野が広がってくると思う。

2005/08/18

茹で蛙(自戒)

「蛙を熱湯に放り込めば、あわてて飛び出すが、水から徐々に温められると、気持ちよくゆであげられて、反応しなくなり、やがて死んでしまう。」

「財政破綻の国に移住しようとすれば、あわてて逃げ出すが、豊かな状態から徐々に財政悪化していくと、放漫な生活をやめられなくなり、やがて自分も破綻してしまう」

「ショバ代の高い百貨店に出店すると、帳尻が合わずにあわてて逃げ出すが、ショバ代がタダ同然の状態からだんだんと値上げされると、売上が結構あるから逃げられなくなり、やがて売れば売るだけ損する状態に陥ってしまう」

2005/08/13

今後やるべき事

無事、成田に着きました。
先ほどのSearch Engine Strategiesの続き。

検索エンジンの方向性はGoogleが示していると言っても良いが、"Search Engine makes people happy"である。ユーザが情報を知りたいときに、ユーザが必要としている情報を、さりげなく、素早く出すのが検索エンジンの役割。近い将来、全ての検索に対して一律の結果を返すのではなく、ユーザそれぞれの指向性、TPO等を考慮しながら、最適な情報が示されるような事になるだろう。

じゃあ、僕らは何をすべきか?答は簡単で、僕らも「人々を幸せにする」機能の一翼を担えばいいわけだ。ユーザが何か欲しいと思ったら、それが品揃えされていて、きちんと説明されていて、価格も手ごろで、すぐに届く、といった状況を作り出せばいい。ごくごく当たり前の話だが、当たり前のことを素直に行う機能を持っていれば、自然と検索エンジンというエージェントに好かれるようになるのだろう。

イノベーションは著しいけど、本質は全く変わっていない、それが再確認できたカンファレンスだった。

写真は二日目に行われたGoogle Dance 2005の会場の様子。

Search Engine Strategiesに参加して


4日間にわたり行われたSearch Engine Strategiesが終わった。
今回の感想を書こうと思ったが、二つの相反する印象を持っている。一つは目新しい話は少なかったということ。一方で、サーチエンジン周りが猛烈な勢いでイノベーションし続けていることも再発見したことだ。

目新しい話は少ないというのは、あくまでもユーザとしての視点、およびサーチエンジンを活用したマーケタとしての視点からである。検索エンジンの仕様のうち、GoogleやYahoo!がオープンにできるものはほとんどウェブ上で公開されているので、カンファレンスに来ても目から鱗が落ちるような情報はまずない。GoogleやYahoo!のエンジニアの話を聞いても、現在の話に関しては、ウェブに書かれていることをほぼそのまま話すだけの事が多い。
一方、GoogleやYahoo!等の上級マネジャが対談するセッションがあったが、その際には彼らが水面下でどのようなイノベーションを行おうとしているかがかいま見られた。パーソナライズやローカルサーチ、インデックス数の拡張競争等、毎週のようにプレスリリースが各社から出されているが、ユーザが追いつけないスピードで、彼らは技術革新を行っている。GoogleやYahoo!でここ1年ほどの間に出された新技術を理解しているユーザ、使いこなせるユーザはほとんどいないだろう。それでも彼らは技術革新を続けるらしい。未来を表現した映画で見られるように、人間がやりたいことを言えば何でもコンピュータが解決してくれる世界を作りたいといっていた。それに到る道のりでは、野球の試合に喩えるとまだ1回の攻撃が終わったばかりの状況だとのこと。というわけで、ユーザが気づかないうちにとてつもないところまでイノベーションを進ませようとしているわけだ。GoogleのCTO、Craig Silversteinが検索エンジンとは?と聞かれて、"Search engine makes people happy."(こんな感じの英語)と言っていたのが印象的だった。

搭乗の時刻になったので、中途半端なところですが、一旦終了。

2005/08/10

各検索エンジンの勢い

昨日からサンノゼのSearch Engine Strategiesに来ているが、Google、Yahoo!、MSN、(ついでにAsk Jeeves)といった検索エンジン各社の勢いの違いが空気から感じられる。

・Google
飛ぶ鳥を落とす勢いを得つつあるようだ。一時期、検索エンジンはGoogle、Yahoo!、MSNの三つ巴になっているといわれたが、その争いを制して、再びシェアを切り上げている。今日はGoogle本社で「Google Dance」というイベントがあった。学園祭のよう雰囲気の中、GoogleエンジニアとSES参加者が交流する場であったが、各エンジニアが非常に高いプライドとモチベーションを持ちながら働いているのが改めて感じられた。本社ビルは2年前に訪れたときと比べてもはるかに大きなものとなっている。今日の会場もグーグル本社内のクラブと中庭を解放して行われたが、ゆうに6-700人程度が心地よく時間を過ごせるような場所だった。

・Yahoo!
Googleに水をあけられつつある感じ。ポータルとしてのYahoo!は依然として存在感があるが、YSTはGoogleの二番煎じでテクノロジー的に遅れているという認識は、会場内でコンセンサスを得られていた。とはいえ、まだ二強の地位は保っている。昨日の晩は遊園地で「Yahoo! Search Night」というイベントが行われたが、Googleのものと比べると、かなり見劣りがした。

・MSN
本拠地のシアトルから離れているためか、全く存在感がない。かわいそうなくらい、参加者の意識から外れている。

・Ask Jeeves
必死さが伝わってくる。三つどもえの戦いからは外れているが、小さいながらも最近シェアを少しずつ上げてきている。今日のキーノートスピーチはAsk Jeevesの社長だった。テクノロジーには自信があると何度も言っていた。ネットバブルの頃にIPOした後、数年静かにしていたが、最近はExciteの買収等、積極的な動きをしているといっていた。社長のスピーチは「まだ小さいけど、テクノロジーもあるし、金もある。今はとにかく、あらゆる手段を講じて、一定のシェアを奪ってやる」という必死な決意表明のようだった。

Search Engine Strategies初日

昨日からサンノゼで行われているSearch Engine Strategiesカンファレンスに参加している。

Yahoo!やGoogle等のサーチエンジンでの検索結果でしっかり表示させるにはどうすればよいか(俗に言うSEO)、またキーワード広告の効果的な方法、等のセッションがいくつも並んでいる。SEOやキーワード広告に関しては、もう既に議論がかなり尽くされている上、Google等の検索エンジンの精度が向上してきているため、目新しい話は多くはない。
一方で、Blog、RSSをいかにユーザーからのトラフィックに結びつけるかに関しては、おもしろいアイディアが次々に出てきている。BlogとRSSへの取り組みはまだ始まったばかりだ。

2005/08/09

楽天クレジットカード決済規約

楽天から新しいクレジットカード決済規約が来た。

今回の規約では、僕が焼け太りではないかと思っていた「R-Card plus」(以下、RCP)は必ずしも強制ではなくなっており、当初は暫定的だといわれていた「あんしんサービス」が今のところ恒久的なものとして表現されているようだ。

妥当な落としどころに落ち着いたと思う。個人情報に関しては、楽天がお客様から承諾を取り、運営に必要な範囲で店舗に開示すると言っている以上、クレジットカード情報を店舗が楽天から今後も開示される可能性はほとんどない。そういった点では、店舗側にクレジットカード情報がわたらない「あんしんサービス」はお客様から見ても、店舗側から見ても納得しやすい解決策だ。一方、その先に予定されていたRCPは店舗側にカード情報がわたらない点は同じであるが、さらに店舗側の楽天への支払額が増大し、その分、楽天のマージンが増えるといういびつな制度だ。RCPに移行しなくてもすむオプションを店舗側が持つのは当然の帰結である。
「あんしんサービス」も必ずしもベストの仕組みではない。特に、トランザクションが多い店舗から見るとオペレーションが煩雑である。とはいえ、今回は顧客情報の安全性を重視した経緯を考えれば、早めにカード情報の流れを制限することにしたのは、納得性の高い選択だ。もちろん、オペレーションの効率化も今後スピーディーにやってもらわないと困る。
また、今回の規約変更に伴い、システム改修コストが多額であったり、オペレーションに余計な工数がかかるという不満も多い。しかし、個人情報を保護するためにはシステム的にもオペレーション的にも全体的にコスト増が避けられないという理解で、僕は何とか納得しよう。

今回の件に関して、楽天と店舗間の関係修復に関しては一定の前進が見られた。とはいえ、肝心の個人情報流出に関する原因究明や被害に遭われた方への対応はまだ終わっていない。一刻も早く、原因究明を行うとともに、既に流出してしまった方への誠意のある対応を行っていかねばならない。楽天市場だけでなく、Eコマース全体の信頼を取り戻すためにはそれらが不可欠だ。

今日からサンノゼに来ています。今日は時差ぼけがひどいので、あまり書けませんが、後日こちらの情報も各予定です。

2005/08/05

楽天の対応に関する疑問「誰のためのR-Card plus?」


ここ数日、楽天に関するポストを続けているが、彼らに執着しているからというわけではない。彼らが、8月1日に突如、クレジットカード決済の方法を変えると報道発表し、それを8月11日からいきなり適用するという。しかも、その内容が出店者に対して一方的な不利益を与え、楽天に利益が転がり込むような変更だ。楽天はほとんど情報を出さないので、出店者が一方的に不利益な契約書に盲判を押してしまう可能性がある(というか、楽天はそれを期待している)。そのような被害が出ないよう、自分のわかる限りの情報をできるだけ速やかに出していこうと思っているからだ。

今回のカード決済システム変更については、楽天が以下のように説明している。
http://www.rakuten.co.jp/com/faq/information/20050802/

これに周辺情報を加えて作ったのが、左上の表だ。今回の変更は2段階に分かれていて、暫定的な「あんしんサービス」を経て、最終的には「R-Card plus」を強制しようとしている。今回のシステム変更の目的は「顧客情報漏洩の防止」である。そのために、クレジットカード情報が楽天から店舗側にわたらないようにしようというものだ。
ここで注目して欲しいのは、「あんしんサービス」においても既にクレジットカード情報は楽天から店舗側には渡らなくなるということだ。この時点で、消費者の個人情報漏洩リスクを低減するするという初期目的は達せられている。
しかしながら、「あんしんサービス」はあくまでも暫定措置で、最終的な着地点は「R-Card plus」だという。それでは「あんしんサービス」と「R-Card plus」の違いは何か?一番の違いは料率が何パーセントで、誰のふところに入るかということである。「あんしんサービス」までにおいては料率はあくまでも店舗側と個別のカード会社との折衝である。一方で、「R-Card plus」においては今のところ、楽天が提示した、一律3.6%という数字が全店舗に適用されることになる。この3.6%という料率は、ある店舗から見れば安いものであるが、ある店舗から見ると法外に高いものである。「R-Card plus」においては楽天がカード会社と一括して包括契約を行うので、楽天とカード会社間の料率と3.6%の差がまるまる楽天の利益となる。消費者の個人情報漏洩リスク低減という初期目的が達せられているのに、なぜわざわざ「R-Card plus」に強制的に移行させなければならないのだろうか?
店舗側にカード情報を渡さないということは一定の理由が理解できる。楽天と店舗双方がカード情報を持つよりも、楽天のみがカード情報を持つ方が、漏洩リスクは低いからだ。しかし、「R-Card plus」に移行するのは、楽天が儲かるからという以外、理由が見つからない。

2005/08/04

楽天増収増益シミュレーション

今回の楽天の個人情報漏洩に対する対策が、どの程度彼らのP/Lにインパクトを与えるか、試算してみた。
仮に、彼らが言うとおり、クレジットカード決済がすべてR-Card Plus(楽天がカード会社と包括契約するシステム)に移行したとする。

1) クレジットカード決済手数料による収入
・現在の楽天市場の流通総額(四半期) =710億円
  ↓
・現在の楽天市場の月次流通総額    =236億円
  ↓
・現在の楽天市場の月次クレジット決済額=94億円
(クレジットカード決済の比率を40%と仮定)
  ↓
・楽天市場が得る決済手数料(月間)  =1.7億円(売上)
(R-Card Plusの料率は3.6%)

・楽天市場の決済手数料利益分(月間) =0.85億円(利益)
(実際の決済コストは料率の半分と仮定)

2)カード取引に関わる処理手数料による収入
・R-Card Plusに移行する店舗数    =7,000店
(全店舗数13,000店-既に加入済み3,000店、残りの7割が移行と仮定)
・店舗が支払う月次固定費       =3,000円
  ↓
・カード取引に関わる固定費収入    =21百万円(売上、利益)

以上を足しあわせると毎月1.9億円の売上増、1億円の利益増となる。
年間では23億円の売上増、12億円の利益増となる。

この他にも、カード取引に関わる処理手数料における従量部分、セキュリティ強化のための楽天大学講座(店舗に対する有料セミナー)等、収益を増やすチャンスが山積みだ。

個人情報漏洩を機に、このような自社に都合のよい契約を結ぼうというのは、焼け太りとしか言いようがない。彼らの売上増、利益増は楽天への出店店舗、住友VISA以外のカード会社、カード処理会社等からかき集められる。

2005/08/02

楽天の対応について(追加)

楽天のクレジットカード決済システム変更の件、その後調べてみたところ、ITメディアによればカード決済代行あんしんサービスというものも提供するらしい。カード会社と店舗の契約は店舗側の従来の契約のままで、決済のデータ処理は楽天側が行う。カード情報は店舗側にはわたらない、とのこと。楽天から店舗に送られたメールには、そのようなサービスは案内されていなかったが、報道側には発表したということだろう。
また、メールアドレスに関しても、店舗側には渡さず、転送機能を使って代替するようなシステムを導入するとしている。

楽天に出店するテナントの立場からすると、楽天での購入者のクレジットカード情報やメールアドレスは決して欲しいわけではない。ただ、安価な決済とお客様とのスムーズなコミュニケーションを行いたいだけだ。しかし、楽天の現行のクレジットカード決済システムの料率は決して安いものではないし、楽天のメールシステムはケンコーコムのような独立店舗と楽天テナントを併存させるような店舗からすると、非常に煩雑な仕組みである。また、消費者から見ても玉石混淆の1万数千店の楽天店舗それぞれがカード情報やメールアドレスを持つよりも、楽天が一括管理した方が安心だと思うのもうなずける。これらを解消するのであれば、悪い話ではない。何をやるかということに関しては大きな異存がないにしても、いかにやるかということに関しては、今回の取り組みが拙速であることは否めない。

今回の取り組みに対して、僕が持つ不満は3つある。
1.料率に対する不満
2.システム改修に対する不満
3.心情的なもの

1.の料率に関する点に関しては、上記の「カード決済代行あんしんサービス」というものの中身を楽天サイドからもう少し聞いてから考えたいと思う。ただ、このサービスが暫定的なもので、「R-Card Plus」という楽天とカード会社の一括契約システムをの全店舗導入すると言っている。現在の「R-Card Plus」は加入する全店舗に対して一律の料率を提供しているが、一般的にカード決済の料率は売上が増えるに従って逓減していくものだ。売上規模に応じた料率テーブルがなければ、全店舗への導入は困難だろう。

2.のシステム改修に関しては今回の一連の対策には店舗側の大きなシステム変更が伴うことに楽天は気づいているものの、強行突破をはかろうとしているように見える。個人情報漏洩という緊急事態への対策なので、多少やむを得ない部分もあるが、各店舗が負担するシステム改修コストは程度の差はあるがかなりのものだろう。しかも8/11の施行まで10日間の猶予しか与えなければ、その期間内に対応できる店舗はきわめて少ないだろう。
出店者からすると楽天の相次ぐ値上げで、楽天への出店を継続するメリットは急速に減ってきており、今回のシステム改修にかかるコストと、今後のリターンを比較して、対応の有無を判断することになる。楽天は今回も楽天のやり方で通すのであろうが、今回のハードルを越えない店舗は少なくない思う。

3.の心情的なものに関しては、以前から改まる気配がほとんどない。うちに対する現在の担当は楽天らしくなく、よく対応してくれているが、企業としての楽天の対応が醸し出す傲慢さは一向に解消されない。出店料の固定制から従量制への変更、楽天ポイント、アフィリエイトの導入と、一方的な値上げをここ3年ほどの間に繰り返してきたが、今回もまたかといった感じだ。今回の情報漏洩の件で、店舗側には未だに一切のお詫びもなく、そればかりか便乗して商機をうかがうなど、理解しがたいセンスを持っている。心情的には彼らとこれ以上関わるのは勘弁して欲しいと思っている。

まだ、楽天からの説明はほとんど聞いていないので、今日から彼らとしっかり話し合い、是々非々で臨みたい。

・・・今回の楽天の情報漏洩問題に振り回されて、夜更かしする癖がついてしまった。

2005/08/01

楽天、仮想商店街のカード決済をすべて代行へ

楽天の個人情報保護の件、早速カード決済の件を進めた模様。

楽天、仮想商店街のカード決済をすべて代行へ

従来も楽天はカード決済システムを持っていた。そのシステムと契約していない店舗は、彼らの手数料料率に魅力を感じていなかったのだと思うが、強制的に一斉加入させようということらしい。

手数料料率の0.1%、1%は利益に直結する。小売にとっての1%の意味を彼らは理解しているのだろうか?

(21:40 追記)
21時過ぎに来た楽天出店者向けメールの文末。
そんなに丁寧にお願いされなくてもいいから。


以上、誠にお手数をおかけいたしますが、事情ご賢察の上、ご理解賜りますようの程お
願い申し上げますいたします。

                                     敬具
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

商売上手の楽天

楽天の顧客情報が流出した件に絡んで、楽天が次々と対策を打っている。7/28に突然、楽天からのCSVダウンロードデータからクレジットカード情報が非表示となった。予告なく表示が消えて、事後報告されてしまったので、先週末は大変なことになった。今まで自動で行っていたクレジットカードの承認作業が手作業になってしまい、当社も週末何人かが徹夜を余儀なくされた。

プライバシーを保護するという目的にはもちろん異存はない。だが、このプライバシー保護を錦の御旗に、彼らの利益を増大させようという意欲には目を見張るものがある。今回の情報流出を機に、楽天に出店している店舗全店に、楽天独自のクレジットカード決済システム使用が義務づけられるような雲行きだ。楽天の独自システム稼働の折には強制的に加入することを義務づけられる差入書が送られてきた。楽天のクレジットカード決済システムを使うと、全ての店舗は一律3.6%の決済手数料がかけられる。3.6%の決済手数料を魅力的だと思う店舗もあるだろうが、現行の料率よりも大幅に悪化するところもかなりあるだろう。今回の情報流出により、出店店舗はまたもや楽天に利益を自動的に吸い上げられることになる。今回の問題を解決する過程で、どさくさに紛れて焼け太りしようとしているように見られても仕方あるまい。

今回の顧客情報流出は、図らずも楽天が従来からやりたくても言い出せなかったことを推し進める役割を果たしてしまった。販売主体が楽天となり、出店店舗は、楽天商店の一売り場の売り子となる構図だ。商品選定、ホームページづくり、販促、出荷作業は各店舗が行うが、消費者から見ると楽天と取引しているようにしか見えないというのが、楽天の目指す姿だろう。今回はクレジットカードの件に着手したが、個人情報はクレジットカード番号だけでなく、顧客の住所や氏名、電話番号等も含まれる。これらの情報も楽天だけで管理しようとすると、楽天のシステムで出荷を行うという結論が導かれる可能性が高い。出店店舗は商品を楽天の段ボールに詰め、楽天から渡された宅急便の送り状を貼り出荷するという世界に一歩一歩近づいている。そのときは、彼らが現在流通総額といっている数字が彼らの売上になるだろう。

楽天をEコマースシステムのASPだと当初は思っていた出店店舗からすると、そんな契約じゃないよという話だが、今回の顧客情報流出を機に大きく一歩踏み出した感がある。