2005/07/15

ユニクロ社長に柳井氏復帰

ユニクロの社長に柳井氏が復帰した。柳井氏の講演を10年ほど前に聴いて以来、彼のことは大変尊敬している。今回の社長復帰はある程度ありそうな予感はあったが、本人が決断するに至るまでの苦悩は相当のものがあっただろう。
企業の持続的な成長を願い、そのためには本人個人の力量ではなく、組織力を向上せねばという課題は強く認識していたであろう。そして、ある程度のレールを敷き、後任に託すという、理想的な引き際は数年前に思い描いていたのだと思う。しかし、彼のような強力なリーダーの後を継げる人がいなかった。いなかったというよりも、彼自身が現場から離れることに対してフラストレーションを感じている中で、業績の伸びが停滞したことで、我慢ができなくなったのではないかと思う。現場意識の強い経営者は、やってはいけないとわかりながらも、彼と同じような行動をとる危険性が常につきまとう。
また、ユニクロのように、独自の路線を歩み、しかもフォーカスしながら活動している場合、経営者の強いリーダーシップがなければ、瞬く間に方向性を見失ってしまう。ここ数年、端から見ていても、ユニクロはフォーカスを失いつつあるように感じられた。フォーカスがしっかりしている会社を引き継ぐ場合、後継者は優秀で器用だと難しいのかもしれない。何でもできる人だと、フォーカス以外のことでも器用にこなしてしまう。しかし、そうするうちにベクトルが乱れるリスクが高い。盛田氏後のソニーもそうでないかという話を聞いたことがある。ジョブスが不在の時のアップルも乱れてしまった。
いずれにせよ、柳井氏は復帰したので、これでどのように立て直し、後継者を見つけ、バトンタッチをするかというのはしっかりとウォッチしたい。「ビジョナリーカンパニー2」に見られるような、数十年にわたって持続的に成長する企業に昇華できるかどうか、ユニクロは岐路に立っているのだろう。